記事の要約
- 熊本県と広島県に初の歯科心理カウンセラーが誕生
- 歯科恐怖症の患者をサポートする専門資格
- 患者の心理面に寄り添う治療環境を実現
歯科心理カウンセラーの資格取得セミナー開催と新資格誕生
日本歯科心理カウンセラー協会は2024年12月25日、第2期歯科心理カウンセラー資格取得セミナーを開催し、熊本県と広島県に初の歯科心理カウンセラーを輩出した。歯科心理カウンセラーは歯科恐怖症の患者や歯科治療に不安を抱える方に対し、歯科特有の心理面からサポートを行う専門資格として注目を集めている。
歯科心理カウンセラーの特徴は、歯科治療に対する恐怖心の克服を主な目的とし、患者の心理状態に寄り添った丁寧なヒアリングを重視している点にある。協会では傾聴と共感を基本姿勢とし、患者が安心して通院できる環境づくりを目指すカウンセラーの育成に力を入れている。
歯科医院にとっても、歯科心理カウンセラーの在籍によって患者のリピート率向上や無断キャンセルの減少、スタッフの離職率低下といった複数のメリットが期待できる。協会は今後も全国各地で歯科心理カウンセラーの育成を進め、歯科医療の質的向上を図っていく方針だ。
歯科心理カウンセラー資格の特徴まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
資格名称 | 歯科心理カウンセラー(商標登録第6150690号) |
主催団体 | 日本歯科心理カウンセラー協会 |
次回開催日 | 第3期:2025年4月27日、6月8日/第4期:2025年9月28日、11月30日 |
開催場所 | 日本歯科新聞社セミナールーム |
主な役割 | 歯科恐怖症患者の心理的サポート、治療環境の改善 |
歯科恐怖症について
歯科恐怖症とは、歯科治療や歯科医院に対して強い不安や恐怖を感じる心理状態のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 治療の痛みや音、器具への恐怖心が強い
- 受診を先延ばしにする傾向がある
- 治療中のストレスや不安が大きい
歯科恐怖症の患者は歯科治療を避けがちなため、口腔内の健康状態が悪化するリスクが高まる。歯科心理カウンセラーの導入によって患者の不安や恐怖心を軽減し、定期的な通院や予防的な治療を促進することで、長期的な口腔衛生の維持向上が期待できる。
歯科心理カウンセラー資格に関する考察
歯科心理カウンセラー資格の創設は、従来の歯科医療が見落としがちだった患者の心理面へのケアを専門的に担う重要な一歩となっている。資格保持者が増えることで、歯科治療における心理的バリアが低減され、より多くの患者が適切なタイミングで治療を受けられるようになる可能性が高まっている。
今後の課題として、歯科心理カウンセラーの認知度向上と、保険診療との連携体制の構築が挙げられる。特に保険適用の可能性については、患者の経済的負担軽減の観点から検討が必要となるだろう。医療機関との連携強化や診療報酬への組み込みなど、制度面での整備が求められている。
医科歯科連携の観点からも、歯科心理カウンセラーの役割は重要性を増すと考えられる。全身の健康維持に不可欠な口腔ケアを促進するため、心理面からのアプローチを強化し、患者の治療意欲を高める取り組みが必要だ。継続的な研修制度の充実や、エビデンスの蓄積も今後の課題となるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「【日本歯科心理カウンセラー協会】患者様が求めている歯科の新資格「歯科心理カウンセラー」熊本県と広島県に初の歯科心理カウンセラーが誕生! | 歯医者が怖い方のためのさくら百華デンタルクリニックのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000127880.html, (参照 2025-01-08).