ワオフル株式会社がメタバースを活用した不登校支援の実証研究を開始、東京学芸大学との共同研究で教育効果を検証へ

記事の要約
- ワオフル株式会社がメタバースを活用した少人数教育の研究開始
- 不登校支援に向けたクラウドファンディングを開始
- 東京学芸大学との共同研究が2025年春から始動
メタバースを活用した少人数教育による不登校支援の実証研究開始
ワオフル株式会社は不登校支援と教育効果の実証研究に向けたクラウドファンディングを2025年1月23日より開始した。文部科学省の調査によると30日以上の長期欠席の小中学生は34万人に達し、保健室登校や教室に居場所を感じることができない不登校予備軍の小中学生は100万人に及ぶ深刻な状況となっている。
2023年にワオフル株式会社が251の不登校経験家庭を対象に行ったアンケート調査では、半数の子どもがほとんど学校に行っていない状態であることが明らかになった。不登校の要因として学校生活に対するやる気の喪失が32.2%、不安や抑うつが23.1%を占めており、社会や人に対して不安を抱えているケースが数多く存在するという結果が出ている。
メタバースを活用した少人数制のフリースクール「夢中カレッジ」では1クラス12人に2人のスタッフ体制を採用し、SELを根底とする活動や独自のカリキュラム開発を行っている。約1年間の運営を通じて多くの子どもにポジティブな変化が見られ、ご家庭の平均満足度も90%という高い数値を記録している。
不登校支援プログラムの詳細
ぐんぐん学びコース | じっくりサポートコース | |
---|---|---|
活動内容 | グループ活動と教科学習 | 1対1の対話とペア活動 |
特徴 | 学習指導要領ベースの学習 | 段階的なステップアップ |
支援体制 | 2名のスタッフ体制 | 2名のスタッフ体制 |
SELについて
SELとは「Social and Emotional Learning(社会性と情動の学習)」の略称で、自己理解や他者理解を深める教育プログラムのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 自己認識と他者理解の促進
- 感情のコントロールと社会的スキルの習得
- 責任ある意思決定能力の育成
ワオフル株式会社の夢中カレッジでは、SELを基盤としたカリキュラムを通じて、子どもたちの自己肯定感を高め、社会との関わりを段階的に深めていく取り組みを行っている。独自に開発された100を超えるオリジナルコンテンツと組み合わせることで、より効果的な不登校支援を実現している。
メタバースを活用した不登校支援に関する考察
メタバースを活用した少人数教育は、外出に不安を感じる不登校児童の新たな学びの場として大きな可能性を秘めている。従来のフリースクールや支援センターでは対応が難しかった外出困難な子どもたちに対し、自宅にいながら教育を受けられる環境を提供できることは画期的な進展だ。
一方で、オンラインでの学習環境がもたらす課題として、実際の対面コミュニケーションへの移行をどのように進めていくかという点が挙げられる。メタバース空間での学習から実社会への段階的な移行プログラムの開発が、今後の重要な研究テーマとなるだろう。
さらに、教育現場でのメタバース活用には、適切な指導者の育成とサポート体制の確立が不可欠となる。教育効果の検証と並行して、指導者向けの研修プログラムの充実や、保護者との連携強化など、包括的な支援体制の構築を進めていく必要がある。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「【不登校問題の解決へ】メタバースを活用した少人数教育、実証研究に向けたクラウドファウンディングが1/23にスタート | ワオフル株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000068850.html, (参照 2025-01-24).