米国テンプル大学京都の留学生向けに伊と幸が京友禅体験授業を開催、伝統文化の理解促進へ

記事の要約
- TUJ京都で学ぶ留学生向けに京友禅体験授業を開催
- 伊と幸の白生地資料館で絹織物の学習と実践を実施
- 2025年1月31日に2グループ制で体験授業を提供
TUJ京都と伊と幸による伝統文化体験授業の開催
株式会社伊と幸は、米国ペンシルべニア州立テンプル大学ジャパンキャンパス京都の海外留学生を対象とした体験授業を2025年1月31日に開催する予定だ。京都市中京区の絹の白生地資料館にて、繭や生糸から白生地までの製造工程を学び、京友禅の色挿しと金箔貼りの実践的な技法を体験できる機会を提供する。
テンプル大学ジャパンキャンパス京都は2025年1月に新設され、約80カ国・地域からの留学生に京都ならではの学びを提供している。伊と幸は創業93年の和装用白生地メーカーとして、2011年より絹の白生地資料館を運営し、蚕糸文化の発信に尽力してきた。
体験授業は13時と15時の2グループ制で実施され、各回6名の定員となっている。参加費は11000円で、テンプル大学からの折半補助が適用される。講師には早稲田大学教育学部卒業後、京都伝統工芸大学校で友禅を学んだ清水美里が担当する。
体験授業の概要
項目 | 詳細 |
---|---|
開催日時 | 2025年1月31日 13:00~14:30、15:00~16:30 |
開催場所 | 伊と幸ビル4階 絹の白生地資料館 |
対象者 | TUJ京都在学生および準ずる学生 |
定員 | 各回6名(計12名) |
参加費 | 11,000円(大学からの折半補助あり) |
講師 | 清水美里(京都伝統工芸大学校京手描友禅専攻) |
京友禅について
京友禅とは、京都の伝統的な染色技法で、着物などの絹織物に文様を染める手法のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 防染糊を使用して文様の輪郭を描く技法
- 隣り合う色が混ざらないよう細密な作業が必要
- 金箔を用いた加飾も可能な高度な染色技術
伊と幸では、図案家によるオリジナル文様を用いて、留学生が実際に色挿しと金箔貼りを体験できる機会を提供している。完成した作品はアクリルパネルに収められ、インテリアとして保存することが可能だ。
国際教育における伝統文化体験に関する考察
留学生への伝統文化体験は、日本の繊維産業と伝統工芸の価値を世界に発信する重要な機会となっている。特に絹織物は生分解性があり環境負荷が低いという特徴から、欧米でのエコ素材としての注目度も高く、現代のサステナビリティの観点からも意義深い取り組みだ。
体験授業のプログラム構成は、理論と実践のバランスが取れており、留学生の理解促進に効果的な設計となっている。しかし、各回6名という少人数制は、より多くの学生に体験機会を提供するという点で課題となる可能性があるだろう。
今後は、オンラインでの事前学習の導入や、体験授業の定期的な開催など、より多くの留学生が参加できる機会の創出が期待される。伝統工芸の継承と国際交流の両立は、グローバル人材育成において重要な役割を果たすはずだ。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「米国州立テンプル大学京都の海外留学生が株式会社伊と幸「絹の白生地資料館」にて、絹の学びと京友禅の体験授業を開催 | 株式会社 伊と幸のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000154090.html, (参照 2025-01-16).