NPO法人第3の家族が進路希望の親子調査を実施、93.8%に差異が判明し家庭環境問題の実態が浮き彫りに
記事の要約
- NPO法人第3の家族が進路希望の親子比較調査を公開
- 進路希望の親子間差異が93.8%と判明
- 親子の進路期待のミスマッチが明らかに
NPO法人第3の家族による進路希望の親子調査結果
NPO法人第3の家族は2025年1月17日、家庭環境に悩む子どもとその親の進路希望比較調査結果をWebアンケート形式で公開した。掲示板gedokunのユーザーを対象に2024年12月1日から12月7日にかけて実施された調査では、子どもが希望する進路と親が期待する進路に大きな隔たりがあることが明らかになっている。
調査対象となった145人の回答を分析した結果、93.8%の親子間で進路希望に差異が確認された。声優志望の子どもに対して親は銀行員を期待するケースや、医師志望の子どもに対して親はサラリーマンを期待するケースなど、子どもの夢と親の期待に大きな乖離が見られている。
同掲示板gedokunでは2024年12月26日にオンラインイベントを開催し、進路に関する座談会も実施された。理系の専門学校進学を希望する女子学生が「女だから」という理由で進学校への進学を親から求められるケースや、絵師を目指す学生が親から作品を否定されるケースなど、深刻な実態が浮き彫りになっている。
進路希望調査の概要
項目 | 詳細 |
---|---|
調査主体 | NPO法人第3の家族 |
調査手法 | Webアンケート |
調査期間 | 2024年12月1日〜12月7日 |
調査対象 | 掲示板gedokunのユーザー |
有効回答数 | 145 |
調査方法 | 自由記述 |
家庭環境問題のはざまについて
家庭環境問題のはざまとは、虐待までは至らないものの子どもの心身の健全な発達に影響を与える可能性のある家庭内の諸問題を指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- 虐待の定義には当てはまらないグレーゾーンの問題
- 親子のコミュニケーション不全が顕著
- 子どもの自己決定権が制限される傾向
NPO法人第3の家族は家庭環境問題のはざまで悩む小学生から大学生を対象に支援活動を展開している。掲示板gedokunやイベントの開催を通じて、子どもたちが自分の居場所を見つけられるような取り組みを行っているのだ。
家庭環境問題の親子間ギャップに関する考察
93.8%という高い親子間の進路希望の差異は、現代社会における親子のコミュニケーション不全を如実に表している。特にクリエイティブな職業を志望する子どもたちへの親からの理解が不足しており、将来のキャリア形成における大きな障壁となっているだろう。
今後は親の価値観と子どもの夢の間に存在する溝を埋めるための対話の機会が必要不可欠だ。特に「普通」や「安定」という漠然とした価値観を押し付けるのではなく、子どもの個性や適性を理解し尊重する姿勢が重要になってくるだろう。
教育現場においても、親子間の進路に関する認識のギャップを解消するための取り組みが求められている。キャリア教育の一環として、多様な職業観や働き方を学ぶ機会を設けることで、親子双方の視野を広げることができるはずだ。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「【受験シーズン】NPO法人第3の家族が家庭環境に悩む子どもとその親の進路希望比較表を公表。93.8%が進路希望に親子の差異あり。 | 特定非営利活動法人第3の家族のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000120079.html, (参照 2025-01-18).