京都府立医科大学とRhelixaがDNAメチル化による長寿研究を開始、エピゲノム年齢の臨床的意義を解明へ

記事の要約
- 京都府立医科大学とRhelixaが共同研究を開始
- DNAメチル化プロファイルによるエピゲノム年齢の測定を実施
- 京丹後長寿コホート研究の参加者を対象に臨床的意義を検討
DNAメチル化プロファイルに基づくエピゲノム年齢研究の開始
京都府立医科大学と株式会社Rhelixaは2025年1月17日、DNAのメチル化プロファイルに基づくエピゲノム年齢の測定および臨床的意義の検討をテーマとした共同研究を開始した。本研究では百寿者の多い京丹後市を対象とした京丹後長寿コホート研究の参加者を対象として、エピゲノム年齢の測定と臨床的意義の評価を実施する。
近畿大学アンチエイジングセンターの山田秀和医師は日本抗加齢医学会理事長として専門的な助言と協力を提供している。DNAメチル化プロファイルから推定されるエピゲノム年齢は生物学的年齢の新たな指標として注目を集めており、加齢や健康状態、慢性疾患リスクとの関連性が示唆されているのだ。
本研究では、DNAメチル化プロファイルを解析してエピゲノム年齢を算出するとともに、生活習慣や運動機能、臨床情報との相関性を詳細に分析することで、研究参加者における生物学的老化傾向を評価する。これにより健康長寿に寄与する背景因子の特定を目指している。
エピゲノム年齢研究の概要
項目 | 詳細 |
---|---|
研究機関 | 京都府立医科大学、株式会社Rhelixa |
研究開始日 | 2025年1月17日 |
研究対象 | 京丹後長寿コホート研究参加者 |
研究内容 | DNAメチル化プロファイル解析、エピゲノム年齢測定 |
協力機関 | 近畿大学アンチエイジングセンター |
エピゲノム年齢について
エピゲノム年齢とは、DNAメチル化プロファイルから推定される生物学的な年齢指標のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- DNAのメチル化状態から算出される生物学的な年齢指標
- 加齢や健康状態との密接な関連性を持つ
- 慢性疾患リスクの予測に活用できる可能性がある
エピゲノム年齢は従来の暦年齢とは異なり、生体内の分子レベルでの老化状態を反映する指標として注目を集めている。京丹後長寿コホート研究では、この指標を用いて健康長寿のメカニズム解明を目指し、地域特性を活かした研究が展開されることになる。
エピゲノム年齢研究に関する考察
京丹後市における百寿者の多さは、地域特有の生活習慣や環境要因が健康長寿に影響を与えている可能性を示唆している。エピゲノム年齢という客観的な指標を用いることで、これまで解明されていなかった長寿要因の特定につながる可能性が高いだろう。
DNAメチル化プロファイルの解析には高度な技術と専門知識が必要であり、データの精度管理や解釈に課題が残される可能性がある。研究成果の信頼性を確保するためには、解析手法の標準化や品質管理体制の確立が不可欠となるだろう。
将来的には、本研究で得られた知見を基に、個人の生物学的老化度を評価する新たな健康指標の開発が期待される。エピゲノム年齢の測定技術が確立されれば、予防医療や健康管理の分野で広く活用される可能性が高い。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「京都府立医科大学と株式会社Rhelixa「DNAのメチル化プロファイルに基づくエピゲノム年齢の測定および臨床的意義の検討」に関する共同研究開始のお知らせ | 株式会社Rhelixaのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000132104.html, (参照 2025-01-18).