マイナビが大学生低学年のキャリア意識調査を実施、早期からのキャリア形成活動の実態が明らかに
記事の要約
- 大学1・2年生のキャリア意識調査結果を発表
- キャリアの方向性が決まっている学生は40.8%
- インターンシップ参加率が30.1%に上昇
大学生低学年のキャリア意識調査から見る進路選択動向
マイナビは、2024年12月13日から22日にかけて実施した大学1・2年生を対象とした「マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査」の結果を発表した。調査では大学1・2年生のキャリアの方向性が決まっている学生は40.8%となっており、その77.0%が高校生の段階で卒業後のキャリアを意識して進学先や学部・学科を選択していることが明らかになった。
卒業後の仕事選びのために現在行っていることについては、「キャリア教育科目の履修」が46.1%で最も多い割合を占めている。キャリアの方向性が決まっている学生は「資格取得のための勉強」や「大学のOB・OGに話を聞く」など具体的な行動を取る傾向にあり、方向性が決まっていない学生は「友人と将来について話し合う」などから始めている状況だ。
大学入学以降のインターンシップへの参加状況については、参加経験者が30.1%で前年比3.8ポイント増加していることが判明した。インターンシップの応募方法では「大学の講義として参加」が61.9%、「自由応募での参加」が38.1%となっており、低学年時から自主的にインターンシップに参加する学生の存在が浮き彫りになっている。
大学生のキャリア意識調査まとめ
キャリアの方向性が決定済み | キャリアの方向性が未定 | |
---|---|---|
割合 | 40.8% | 59.2% |
主な活動 | 資格取得の勉強、OB・OG訪問 | 友人との進路相談 |
インターンシップ参加方法 | 大学講義として61.9% | 自由応募38.1% |
キャリア形成活動について
キャリア形成活動とは、学生が将来の職業や進路を見据えて行う様々な取り組みのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 将来の職業への興味喚起と理解促進
- 進路選択の幅を広げる機会の提供
- コミュニケーション能力の向上支援
マイナビの調査によると、キャリア形成活動は単なる就職活動の準備だけでなく、留学への意欲向上やコミュニケーション能力の向上にも寄与している。特に大学1・2年生の段階からキャリア教育科目を履修する学生が46.1%を占めており、早期からのキャリア意識形成が進んでいるのだ。
大学生低学年のキャリア形成に関する考察
大学1・2年生の40.8%がキャリアの方向性を決定している現状は、早期からの進路意識の醸成が進んでいることを示している。一方で、約6割の学生がまだ方向性を見出せていない状況は、キャリア教育のさらなる充実化と、学生の自己理解を深めるサポート体制の強化が必要であることを示唆しているだろう。
インターンシップ参加率の上昇は、企業と学生の接点が早期化していることを意味している。しかし、大学講義としての参加が6割を超える現状は、より主体的なキャリア探索を促す仕組みづくりが求められる。インターンシップのプログラム多様化と、参加へのインセンティブ設計が今後の課題となるだろう。
キャリア形成活動がコミュニケーション能力の向上にも寄与している点は注目に値する。今後は専門知識の習得だけでなく、社会人基礎力の育成を意識したキャリア教育プログラムの開発が期待される。産学連携の強化により、より実践的なキャリア教育の実現が望まれるのだ。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「「マイナビ 大学生低学年のキャリア意識調査(2027・2028年卒対象)」を発表 | 株式会社マイナビのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002095.000002955.html, (参照 2025-01-22).