パブリックリソース財団が子どもシェルター新設事業の成果報告会を開催、10代後半の子どもの緊急避難先確保に向けた取り組みを共有

記事の要約
- 全国の子どもシェルターの成果報告会が3月12日に開催
- 10代後半の子どもの緊急避難先不足に対する支援活動の報告
- 3団体から子どもシェルター運営の課題と事例を共有
子どもシェルター新設事業の成果報告会開催へ
公益財団法人パブリックリソース財団は、2025年3月12日に子どもシェルター新設事業の成果報告会を東京都中央区のビジョンセンター東京八重洲で開催することを2025年2月28日に発表した。子どもシェルター全国ネットワーク会議加盟25団体のうち19の地域で21施設しかない現状を踏まえ、全国各地での子どもシェルター設置に向けた取り組みを共有する。
報告会では子どもシェルター全国ネットワーク会議とのコンソーシアム型支援による約3年間の事業成果について、NPO法人子ども・若者センターこだまなど3団体から具体的な活動内容が報告される。自立援助ホーム認可型子どもシェルターやこども家庭庁の新事業など、運営に活用可能な制度についても整理されることになった。
カリヨン子どもセンターの2023年度の実績によると、入居相談などの問い合わせ93件に対し受け入れ可能だったのは26人にとどまっている。児童相談所による児童虐待相談対応件数が令和4年度に214,843件を記録するなか、緊急避難先としての子どもシェルターの拡充が喫緊の課題となっている。
子どもシェルター成果報告会の概要
項目 | 詳細 |
---|---|
開催日時 | 2025年3月12日 13時30分~16時30分 |
開催場所 | ビジョンセンター東京八重洲 905会議室 |
開催形式 | 会場参加とオンライン配信のハイブリッド形式 |
参加費 | 無料 |
申込締切 | 2025年3月11日 12時 |
主催/共催 | 公益財団法人パブリックリソース財団/子どもシェルター全国ネットワーク会議 |
社会的養護制度について
社会的養護制度とは、保護者による適切な養育を受けられない子どもを、公的責任で社会的に養育し保護するための制度のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 児童相談所による一時保護所の運営
- 児童養護施設などの福祉施設の提供
- 自立援助ホームによる就労支援
10代後半の子どもたちは制度の狭間で支援を受けにくい状況にあり、子どもシェルターはその課題を補完する重要な役割を担っている。子どもシェルターでは最長2ヶ月程度の緊急避難と、子ども担当弁護士や社会福祉士による支援を通じて、子どもたちの権利回復と自立支援を行うことが可能だ。
子どもシェルター新設事業に関する考察
子どもシェルターの新設支援事業は、虐待などで居場所を失った10代後半の子どもたちの人権回復と権利保障において重要な意義を持つ取り組みである。特に子どもの代弁者としての弁護士や福祉関係者が中心となり、専門的な支援体制を構築している点は高く評価できるだろう。
今後の課題として、各地域での子どもシェルター運営の持続可能性の確保が挙げられる。こども家庭庁による新事業や各種補助制度を活用しながら、安定的な運営基盤を確立することが求められるだろう。
子どもシェルターの全国展開には、地域の実情に応じた柔軟な運営モデルの構築が不可欠である。自立援助ホーム認可型に加え、新たな制度を組み合わせた多様な運営形態を検討することで、より多くの子どもたちの緊急避難先を確保できるはずだ。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「2025年3月12日(水)13時30分~ 子どもシェルター新設事業 成果報告会 | 公益財団法人パブリックリソース財団のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000092.000071273.html, (参照 2025-03-04).