名古屋学院大学と中日本海産が能登復興支援商品を開発、産学協働による地域貢献モデルを確立

記事の要約
- 中日本海産が名古屋学院大学と能登アラビアータちりめんを共同開発
- 1個の販売につき100円を能登半島地震の復興支援に寄付
- 能登の特産品を活用した商品開発で地域復興を後押し
名古屋学院大学と中日本海産の産学協働による能登復興支援商品開発
中日本海産株式会社は名古屋学院大学の杉浦礼子ゼミの学生と共同で、能登半島地震からの復興支援を目的とした「能登アラビアータちりめん」を2025年3月3日より発売開始した。本製品は既存ブランド「PanPastaMesica」の新シリーズ「Regional」の第1弾として位置付けられ、地域の食文化や食材としらすを掛け合わせた商品開発プロジェクトの成果となっている。
商品開発プロジェクトは2024年6月からスタートし、地域イノベーションを専攻する学生たちが開発、広報、営業企画の3部門に分かれて取り組んできた。学生たちは5チームでのプレゼンテーションを経て、トマトソースベースのちりめんを採用し、パッケージデザインにも携わることで実践的な商品開発の経験を積んでいる。
本製品は愛知県産のしらすと赤海老を使用し、能登の塩、一滴辛、醤油麹、能登ワインなど能登の特産品を贅沢に使用した冷凍惣菜として開発された。商品化にあたっては学生たちの企画が「日経ビジネス杯」でグランプリを受賞するなど、高い評価を得ている。
能登アラビアータちりめんの商品詳細
商品仕様 | 詳細 |
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商品名 | 能登アラビアータちりめん |
容量 | 165g |
価格 | 1,000円(税込・送料別) |
主な原材料 | 愛知県産しらす、赤海老、能登の塩、一滴辛、醤油麹、能登ワイン |
販売形態 | 1個/2個/3個/4個/6個セット |
産学協働プロジェクトについて
産学協働プロジェクトとは、企業と教育機関が連携して実践的な教育活動を行う取り組みのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 実際のビジネス課題に取り組むことによる実践的な学習機会の提供
- 企業の専門知識と学術的知見の融合による革新的な成果の創出
- 学生のキャリア形成支援と企業の人材育成の両立
本プロジェクトでは、名古屋学院大学の地域イノベーション専攻の学生たちが商品開発から販売戦略まで幅広い実務を経験している。企業と大学の連携により、地域復興支援という社会課題の解決に向けた具体的な取り組みが実現されている。
産学協働による能登復興支援商品開発に関する考察
中日本海産と名古屋学院大学による産学協働プロジェクトは、地域復興支援と教育的価値の両立を実現している点で優れた取り組みといえる。商品開発プロセスにおいて学生たちが実践的なビジネス経験を積めることに加え、売上の一部を寄付に回すことで直接的な復興支援にもつながっている。
一方で、長期的な商品展開における課題として、安定的な原材料の確保や販路の拡大が挙げられる。地域特産品を活用した商品開発では、原材料の供給量や価格変動のリスクがあり、これらへの対応策として複数の調達先の確保や代替原材料の検討が必要になるだろう。
今後の展開としては、他の被災地域への展開や新たな商品ラインナップの追加が期待される。産学協働による商品開発モデルを確立し、地域課題の解決に向けた持続可能な取り組みとして発展させていく可能性を秘めている。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「名古屋学院大学の学生と産学協働、能登復興支援につながる「能登アラビアータちりめん」を発売 | 中日本海産株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000142640.html, (参照 2025-03-04).