医学部受験生の7割が浪人経験、予備校選択の後悔は8割に達し早期の環境改善が重要視される

記事の要約
- 医学部受験者の約7割が浪人を経験、基礎学力不足が主因
- 予備校選択の後悔理由は志望校対策不十分が最多
- 医学部合格者は予備校変更に積極的な傾向
医学部受験生の予備校選択における実態調査
株式会社キョーイクは2025年2月14日から18日にかけて、医系専門予備校メディカルラボを運営する立場から医学部受験者の予備校選択に関する調査を実施した。調査対象は予備校に通って医学部を受験し合格した者と不合格で医学部入学を諦めた者の計1,011人であり、PRIZMAによるインターネット調査方式を採用している。
調査の結果によると、医学部受験者のうち約7割が浪人経験を持ち、その中でも1年浪人した割合が40.8%と最も多い数値を示した。浪人の主な原因として基礎学力不足が47.6%、勉強の質や方法の不適合が47.5%と上位を占め、学習環境の重要性が浮き彫りとなっている。
予備校選択において後悔を感じた経験のある受験生は全体の約8割に達し、その理由として志望校対策の不十分さが53.8%、教材や指導方法の不適合が52.2%と高い割合を示している。特に医学部に入学した受験生の45.4%が予備校を変更しており、環境改善への積極的な姿勢が見られる結果となった。
医学部受験生の予備校選択状況まとめ
医学部入学者 | 医学部入学断念者 | |
---|---|---|
予備校変更実績 | 45.4% | 18.6% |
変更検討のみ | 41.7% | 54.9% |
変更なし | 12.9% | 26.5% |
主な変更時期 | 浪人1年目の春 | 浪人1年目の春 |
浪人経験について
浪人とは、大学受験において不合格となり翌年以降に再度受験する期間のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 基礎学力の向上に専念できる期間
- 志望校対策を重点的に行える時間
- 学習方法の見直しが可能な機会
医学部受験における浪人は、約7割の受験生が経験する一般的な選択肢となっている。特に基礎学力の向上や学習方法の改善を目的とした浪人が多く、適切な予備校選択と組み合わせることで合格率の向上につながるケースが見られる。
医学部受験の予備校選択に関する考察
医学部受験における予備校選択の重要性は、合格者と不合格者の行動の違いから明確に読み取ることができる。医学部合格者の約9割が予備校の変更を実行または検討しており、特に高校2年生の春から夏にかけて早期に行動を起こす傾向が強く見られるため、環境改善への積極性が合否を分ける重要な要素となっている。
医学部受験指導において最も重視すべき点は、個々の学生に適した指導方法と志望校対策の充実度である。予備校選択時には講師の質や指導スタイル、医学部特化型カリキュラムの有無、学力レベルに応じた指導体制などを総合的に評価し、必要に応じて環境の変更を検討することが望ましい。
今後の課題として、予備校変更を検討しながらも実行に移せない受験生への支援体制の強化が挙げられる。予備校の選択や変更に関する具体的な判断基準の提示や、変更に伴うリスクを最小限に抑えるためのサポート体制の整備が必要となるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「【医学部受験者の予備校選択の後悔】大多数の方が通っていた予備校を変更、または変更を検討したと回答。理由は「志望校対策が不十分」「指導方法が合わなかった」が上位に! | 株式会社キョーイクのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000090.000026521.html, (参照 2025-03-04).