慶應義塾大学がヒトiPS細胞由来角膜内皮代替細胞移植の第1例目を世界で初めて実施、難治性疾患の新治療法として期待

慶應義塾大学がヒトiPS細胞由来角膜内皮代替細胞移植の第1例目を世界で初めて実施、難治性疾患の新治療法として期待

慶應義塾大学がヒトiPS細胞由来角膜内皮代替細胞移植の第1例目を世界で初めて実施、難治性疾患の新治療法として期待

PR TIMES より

記事の要約

  • 慶應義塾大学が世界初のiPS細胞由来角膜内皮代替細胞移植を実施
  • 水疱性角膜症に対する新たな治療法の臨床研究を開始
  • Cell Reports Medicine誌に研究成果が掲載

iPS細胞由来角膜内皮代替細胞移植の世界初実施

慶應義塾大学医学部眼科学教室の榛村重人特任教授と平山雅敏専任講師の研究グループは、2025年1月14日に世界初となる水疱性角膜症に対するヒトiPS細胞由来角膜内皮代替細胞移植の第1例目を実施したことを発表した。この治療法は難治性疾患である水疱性角膜症の患者に対して新たな可能性を開くものであり、臨床研究として実施された第一種再生医療等提供計画の一環である。

研究グループは水疱性角膜症に対する新たな治療法として、iPS細胞由来の角膜内皮代替細胞を眼前房内に移植する手法の安全性および有効性を検討するための臨床研究を開始している。この研究成果は米国科学誌Cell Reports Medicineに掲載され、再生医療分野における重要な進展として注目を集めている。

慶應義塾大学医学部眼科学教室が中心となって進めるこの臨床研究は、難治性疾患に対する新たな治療選択肢を提供する可能性を持つ画期的な取り組みとなっている。この研究成果は2025年1月13日(米国時間)に科学誌Cell Reports Medicineに掲載され、世界的な医学研究の進展に貢献することが期待されている。

iPS細胞由来角膜内皮代替細胞移植の詳細

項目 詳細
研究主体 慶應義塾大学医学部眼科学教室
実施日 2025年1月14日
対象疾患 水疱性角膜症
研究種別 第一種再生医療等提供計画
研究発表 Cell Reports Medicine(2025年1月13日米国時間)

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水疱性角膜症について

水疱性角膜症とは、角膜内皮細胞の機能が低下することにより角膜が浮腫を起こす難治性疾患のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 角膜内皮細胞の減少や機能不全により発症
  • 角膜の透明性が失われ、視力低下を引き起こす
  • 従来の治療法では根本的な治癒が困難

今回の臨床研究で実施されたiPS細胞由来角膜内皮代替細胞移植は、水疱性角膜症に対する新たな治療アプローチとして注目を集めている。この治療法は従来の角膜移植と比較して、iPS細胞を用いることで、ドナー不足の問題を解決できる可能性を持つものである。

iPS細胞由来角膜内皮代替細胞移植に関する考察

iPS細胞由来の角膜内皮代替細胞移植は、角膜移植におけるドナー不足という深刻な問題に対する画期的な解決策となる可能性を秘めている。特に水疱性角膜症の患者にとって、iPS細胞を用いた再生医療は新たな治療の選択肢を提供し、QOL向上への道を開く重要な一歩となるだろう。

今後の課題として、治療の長期的な安全性と有効性の検証が必要不可欠となってくる。また、iPS細胞の培養や移植技術の標準化、さらには医療コストの適正化など、実用化に向けた様々な課題への取り組みが求められるだろう。

将来的には、この治療法の適用範囲を他の角膜疾患にも広げていくことが期待される。研究の進展により、再生医療技術がさらに発展し、より多くの患者に希望をもたらすことができる可能性を秘めている。

参考サイト/関連サイト

  1. PR TIMES.「【慶應義塾】世界初となる水疱性角膜症に対するヒトiPS細胞由来角膜内皮代替細胞移植の第1例目を実施 | 慶應義塾のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000276.000113691.html, (参照 2025-01-15).

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