パナソニック コネクトと明治大学が女性管理職比率向上の共同研究を実施、CEOメッセージの効果を実証

記事の要約
- パナソニック コネクトと明治大学が女性管理職比率向上の共同研究を実施
- CEOメッセージの効果をランダム化比較試験で検証
- 従業員の態度向上にCEOメッセージが有効と判明
パナソニック コネクトの女性管理職比率向上に向けた共同研究
パナソニック コネクト株式会社は明治大学商学部の加藤拓巳専任講師と共同で、女性管理職比率の向上を目的とした社内コミュニケーションに関する研究を実施し、2025年1月23日にその成果を発表した。研究成果は「Strategic HR Review」に掲載され、CEOのメッセージが従業員の態度向上に効果的であることが統計的に示されている。
研究ではCEOの想いに着目し、女性管理職を高める数値目標にCEOのメッセージを添えることで従業員の態度が向上するかという点をランダム化比較試験で詳細に検証した。数値目標の単なる提示では従業員の意識向上に効果が薄いことも判明している。
パナソニック コネクトは今後もDEI(Diversity, Equity & Inclusion)への取り組みを強化し、LGBTQ+を含めた多様な人々が幸せに暮らせる持続可能な社会の実現を目指している。社員一人ひとりがDEIに対する理解を深め、共感が得られるよう継続的な研究開発にも注力するとしている。
共同研究の概要
項目 | 詳細 |
---|---|
研究タイトル | Combination of KPIs and CEO’s messages: effective employee communication targeted at increasing the share of female managers |
研究機関 | パナソニック コネクト株式会社、明治大学 |
研究者 | 門村亜珠沙、関口昭如、加藤拓巳 |
発表日 | 2025年1月23日 |
掲載誌 | Strategic HR Review(Emerald Publishing) |
研究手法 | ランダム化比較試験 |
ナラティブストラテジーについて
ナラティブストラテジーとは、組織や企業が目標や方針を伝える際に、単なる数値や事実の提示ではなく、物語性を持たせて伝達する手法のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 経営者の想いや背景にある真意を効果的に伝達
- 従業員の共感を引き出し、施策への理解を促進
- 組織全体の一体感を醸成し、目標達成を支援
パナソニック コネクトと明治大学の共同研究では、女性管理職比率の向上という数値目標にCEOのメッセージを添えることで、従業員の態度が向上することが統計的に示された。ナラティブストラテジーの効果的な活用が、組織の変革を推進する上で重要な要素となることが実証されている。
パナソニック コネクトの女性管理職比率向上施策に関する考察
パナソニック コネクトが実施した研究は、従来の数値目標設定型のアプローチに新たな視点を提供している。CEOメッセージの有効性が統計的に示されたことで、今後の企業における女性管理職比率向上施策の方向性に大きな影響を与える可能性が高いだろう。
一方で、メッセージの内容や伝達方法によって効果に差が出る可能性も考慮する必要がある。企業文化や組織の規模、業界特性などの要因が、CEOメッセージの受け止められ方に影響を与える可能性があるため、各企業の状況に応じた最適なコミュニケーション戦略の構築が求められるだろう。
今後はDEIの観点から、女性管理職比率の向上に限らず、多様な人材の活躍を促進するための効果的なコミュニケーション方法の研究が期待される。特にLGBTQ+を含めた包括的な組織づくりに向けて、ナラティブストラテジーの活用可能性を探ることが重要だ。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「パナソニック コネクト、明治大学と「女性管理職比率の向上を目的とした効果的な社内コミュニケーション」に関して共同研究を発表 | パナソニックグループのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000006097.000003442.html, (参照 2025-01-24).