チエルがクラウド型授業支援システムCaLabo Cloudを発表、エージェントレス対応とMoodle連携で教育DXを加速

記事の要約
- チエルが授業支援システムCaLabo Cloudを2025年3月にリリース
- エージェントレス対応でBYOD環境での利用が容易に
- MoodleとのLTI連携で学習管理が効率化
チエルの新クラウド型授業支援システムCaLabo Cloud
教育ICT専業メーカーのチエル株式会社は、全国1,300校以上で導入実績を持つCaLaboシリーズの新製品として、クラウド型授業支援システムCaLabo Cloudを2025年3月にリリースすることを発表した。コロナ禍以降のハイブリッド授業やBYOD化の進展により、クラウド型授業支援システムの需要が高まっていることを受けての対応となる。
CaLabo Cloudの大きな特徴は、従来のCaLabo Onlineで必要だったエージェントプログラムのインストールが不要になった点である。学習者モニターやURL一斉送信、メッセージ送信、グループ会話、インカムといった機能を、エージェントレスで利用できるようになったことで、セットアップの手間が大幅に削減された。
さらにLTI 1.3規格に対応し、世界中の教育機関で採用されているMoodleとの連携機能を実装している。クラス情報や履修者情報の共有、シングルサインオン機能により、教員の授業準備の効率化と学生の利便性向上を実現している。アンケートや小テストなどの課題配信もMoodleから一元管理が可能となった。
CaLabo Cloudの機能まとめ
エージェントレス機能 | Moodle連携機能 | |
---|---|---|
主な特徴 | インストール不要で即利用可能 | LTI 1.3規格による連携 |
提供機能 | 学習者モニター、URL送信、メッセージ機能など | クラス情報共有、課題配信管理 |
利用メリット | セットアップ負担の軽減 | 授業準備・運営の効率化 |
LTI規格について
LTIとは、Learning Tools Interoperabilityの略称で、IMS Global Learning Consortium(現1EdTech)が策定した教育用ツール間の相互運用性を実現する技術規格である。以下のような特徴を持っている。
- 異なる教育システム間でのシームレスな連携を実現
- セキュリティ強化とシングルサインオン機能を提供
- 学習データや課題情報の共有を可能に
CaLabo CloudではLTI 1.3規格を採用することで、Moodleとの高度な連携機能を実現している。クラス情報や履修者情報の共有、課題の一元管理などが可能となり、教育現場のデジタルトランスフォーメーションを強力に支援する基盤となっている。
クラウド型授業支援システムに関する考察
クラウド型授業支援システムの導入により、場所や時間に縛られない柔軟な学習環境の構築が可能となっている。CaLabo Cloudのエージェントレス対応は、特にBYOD環境での利用において大きなメリットとなり、教育のデジタル化を加速させる要因となるだろう。
今後の課題として、教育機関によって異なるICT環境やセキュリティポリシーへの対応が挙げられる。クラウドサービスの特性を活かしながら、各教育機関の要件に柔軟に対応できるカスタマイズ性の向上が求められるだろう。
将来的には、AIやデータ分析技術との連携により、より高度な学習支援機能の実装が期待される。学習履歴の分析や個別最適化された学習コンテンツの提供など、教育DXの更なる進化に向けた取り組みが重要となるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「チエル、クラウド型授業支援システム『CaLabo® Cloud』をリリース | チエル株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000131.000067516.html, (参照 2025-03-05).