STARS Space Serviceが静岡大学の人工衛星STARS-Me2の開発を技術支援、JAXAへの引渡しが完了し宇宙デブリ対策へ前進

STARS Space Serviceが静岡大学の人工衛星STARS-Me2の開発を技術支援、JAXAへの引渡しが完了し宇宙デブリ対策へ前進

PR TIMES より

記事の要約

  • STARS Space Serviceが静岡大学の人工衛星開発を技術支援
  • STARS-Me2の安全審査対応と各種申請手続きをサポート
  • JAXAへの衛星引渡しが完了し運用フェーズへ移行

静岡大学のCubeSat人工衛星STARS-Me2開発プロジェクト

STARS Space Service株式会社は静岡大学のCubeSat人工衛星「STARS-Me2」開発プロジェクトにおいて、安全審査対応や宇宙活動法の申請、無線局申請などの技術支援を実施し、2024年12月4日にJAXAへの衛星引渡しを完了した。国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」からの衛星放出を目指す本プロジェクトでは、静岡大学を中心に超小型人工衛星の開発が進められている。

STARS-Me2プロジェクトでは、衛星打上げに必要となる安全要求への適合性審査のエビデンス作成や試験の実施、内閣府からの人工衛星管理許可証取得のための手続き、宇宙と地上間の通信に必要な無線局免許取得など、多岐にわたる技術支援が行われた。学生のプロジェクトメンバーが研究と衛星開発に専念できる環境の整備に大きく貢献している。

本衛星は10mのテザーを伸展させ、宇宙エレベーターの超小規模実験として活用される予定だ。またテザーによる宇宙デブリ対策への応用も視野に入れており、STARS Space Serviceはスペースデブリのリサイクル事業構築を目指す宇宙ベンチャーとして、持続可能な宇宙開発の実現に向けて取り組んでいる。

STARS-Me2の主な特徴まとめ

項目 詳細
開発主体 静岡大学工学部 能見研究室
衛星サイズ 1U CubeSat
主要機能 10mのテザー伸展実験
実験目的 宇宙エレベーターの超小規模実験、宇宙デブリ対策
打上げ方式 ISSから「きぼう」日本実験棟による放出

テザーについて

テザーとは、人工衛星や宇宙機器を繋ぐためのケーブルやワイヤーのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 宇宙空間での物体の接続や制御に使用される長尺の紐状構造物
  • 宇宙エレベーターの基礎技術として重要な役割を果たす
  • 宇宙デブリの捕獲や軌道変更に活用可能な技術

STARS-Me2プロジェクトで使用されるテザーは、宇宙エレベーターの小規模実験として10mの長さで展開される予定だ。本実験で得られた知見は、将来的な宇宙デブリ対策やスペースデブリのリサイクル事業への応用が期待されている。

STARS-Me2開発プロジェクトに関する考察

STARS Space Serviceによる技術支援は、学術研究と実用化の橋渡しという点で重要な意義を持っている。特に安全審査や各種申請手続きのサポートにより、学生が研究開発に集中できる環境が整備されたことは、今後の宇宙開発人材育成の観点からも大きな成果と言えるだろう。

テザー技術の実証実験は宇宙エレベーターの実現に向けた重要なステップとなるが、実際の運用では予期せぬ技術的課題が発生する可能性がある。宇宙空間での展開制御や外部環境の影響など、様々なリスクに対する綿密な対策と、実験データの詳細な分析が必要となるだろう。

本プロジェクトの成果は、将来的な宇宙デブリ対策の実用化に向けた重要な知見となることが期待される。スペースデブリのリサイクル事業の確立に向け、産学連携による技術開発の加速と、国際的な協力体制の構築が望まれる。

参考サイト/関連サイト

  1. PR TIMES.「STARS Space Serviceが技術支援する静岡大学の人工衛星が完成 | STARS Space Service株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000064089.html, (参照 2025-01-08).