記事の要約
- 長崎県立諫早高等学校がAi GROWを長崎県初導入
- AIで生徒の非認知能力を客観的に評価
- 高校1年生278名が受検を実施
長崎県立諫早高校のAi GROW導入による教育改革
IGS株式会社は、AIを活用して生徒の非認知能力を客観的に可視化する評価ツール「Ai GROW」を長崎県立諫早高等学校に導入したことを2024年12月20日に発表した。長崎県内で初めての導入事例となり、全国では44都道府県目の導入となるAi GROWは、12月13日を中心に高校1年生278名が受検を実施している。
長崎県立諫早高等学校は100年以上の歴史を持つ伝統校であり、近年は「キャリア検討会」という脱偏差値型のキャリア教育を推進している。同校では生徒の非認知能力を測定する客観的な方法を模索しており、他社の外部指標を試みるも十分な成果が得られなかったことから、最大25項目の能力測定が可能なAi GROWの導入に至った。
Ai GROWは生徒の自己評価に加えて生徒同士による相互評価の方法を取り入れており、AIが評価の偏りを補正することで客観性を担保している。同校では行事の前後でAi GROWを活用し、生徒の非認知能力の成長を可視化することで、教育活動の効果検証にも活用していく方針だ。
Ai GROWの機能まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
評価対象 | 非認知能力(表現力、共感力、決断力など) |
評価方法 | 生徒の自己評価と生徒同士の相互評価 |
特徴 | AIによる評価の偏り補正機能 |
測定項目数 | 最大25項目 |
導入実績 | 44都道府県、400校以上 |
非認知能力について
非認知能力とは、学力テストでは測定できない個人の能力や特性のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 表現力、共感力、決断力などの多様な能力要素を含む
- 従来の学力テストでは測定が困難な能力群
- キャリア形成や人生の成功に重要な影響を与える
非認知能力の測定は、生徒一人ひとりの多面的な成長を把握する上で重要な役割を果たしている。Ai GROWによって客観的な評価が可能になることで、生徒の個性や可能性を引き出すキャリア教育の実践に大きく貢献することが期待されている。
Ai GROWに関する考察
Ai GROWの導入により、従来の偏差値偏重の教育評価から脱却し、生徒の多様な能力を客観的に評価できる環境が整備されることは画期的である。AIによる評価の偏り補正機能は、教員の負担軽減と評価の公平性確保という二つの課題を同時に解決する可能性を秘めている。
しかし、AIによる評価システムの導入には、データの取り扱いやプライバシー保護などの課題も存在している。特に生徒の個人情報や評価データの管理について、より厳格なガイドラインの整備と運用体制の確立が求められるだろう。
今後はAi GROWの活用を通じて蓄積されたデータを、個々の生徒の成長支援や教育プログラムの改善にも活用することが期待される。教育現場におけるAI活用の先進的な事例として、他校への展開も視野に入れた実証研究の継続が望まれる。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「【長崎県初】長崎県立諫早高等学校が、偏差値以外の評価軸で生徒の多様な能力の成長を測るためAIを活用した評価ツール「Ai GROW」を有償導入 | Institution for a Global Society 株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000054457.html, (参照 2025-01-08).