慶應義塾大学SFC研究所と香取市が連携協力協定を締結、スローシティの視点で地域資源を再評価へ
記事の要約
- 慶應義塾大学SFC研究所と香取市が連携協力協定を締結
- スローシティの視点で地域資源の再評価を実施
- 学生と地域住民の協働で魅力再発見を推進
慶應義塾大学SFC研究所と香取市のスローシティ連携
千葉県香取市は2024年11月20日、慶應義塾大学SFC研究所と地域力再発見に関する連携協力協定を締結した。自治体初のスローシティをテーマとした連携となり、大学生の視点を活用して地域の特色ある資源を再発見する取り組みを開始するものだ。
慶應義塾大学SFC研究所の飯盛義徳研究室には38人の学生が所属しており、総合政策学部と環境情報学部の学生たちが地域研究を実施する。香取市内全域を対象とし、市民の協力のもと地域の伝統行事などに参加して体験・交流を行うことになった。
慶應義塾大学SFC研究所では、北海道から九州まで全国各地で地域における効果的なプラットフォーム設計の実践知の創造に取り組んでいる。香取市との連携により、地域の人々と学生との協働で新たな魅力を再発見し、シビックプライドの醸成につなげていく方針だ。
香取市スローシティプロジェクトの概要
項目 | 詳細 |
---|---|
協定締結日 | 2024年11月20日 |
連携機関 | 慶應義塾大学SFC研究所 飯盛義徳研究室 |
研究対象 | 香取市内全域の地域資源 |
参加学生 | 総合政策学部・環境情報学部の38名 |
活動内容 | 地域研究、伝統行事への参加、体験・交流 |
成果発表 | 2024年度末に中間発表を予定 |
スローシティについて
スローシティとは、イタリアで発祥した地域づくりの考え方で、地域の歴史や文化、自然・風土を大切にしながら持続可能なまちづくりを目指す取り組みのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- 地域固有の歴史文化や資源を活用した独自性の確立
- 伝統と最新技術を組み合わせた地域づくり
- 持続可能性を重視した等身大の発展
スローシティは2024年5月時点で世界33カ国297都市が加盟する国際的な取り組みとなっている。食や歴史文化などの地域の個性を大切にするこの理念は、地域資源の再評価と活用を目指す香取市の取り組みと親和性が高いだろう。
香取市と慶應義塾大学の連携に関する考察
大学生という外部の視点を活用して地域資源を再評価する本取り組みは、地域の活性化において重要な意義を持つものである。特に成田空港の機能拡張に伴う変化の中で、地域のアイデンティティを維持しながら発展を目指す方向性は時宜を得たものだ。
今後の課題として、一時的な取り組みで終わらせない継続的な仕組みづくりが重要になってくるだろう。大学生の活動が地域に定着し、持続的な効果を生み出すためには、地域住民との密な連携と情報共有の体制構築が不可欠である。
将来的には、このプロジェクトを通じて発見された地域資源を具体的な施策や事業に結びつけることが期待される。地域の伝統と現代的なニーズを調和させながら、独自の魅力を持続的に発信できる体制を整えることが望ましいだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「自治体初!慶應義塾大学生と連携 「スローシティ」の視点で地域の“魅力”を再発見【千葉県香取市】 | 香取市のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000132436.html, (参照 2025-01-08).