学研教育総研が2024年度学生白書を公開、推し活実態や理想の大人像など新世代の価値観が明らかに

学研教育総研が2024年度学生白書を公開、推し活実態や理想の大人像など新世代の価値観が明らかに

PR TIMES より

記事の要約

  • 学研が全国の小中高生の生活実態調査を公表
  • 2024年のお年玉調査で小学生平均2万円、中高生平均2.7万円
  • 推し活調査で「推し」がいる割合は学年が上がるほど増加

学研教育総合研究所による2024年度学生白書調査結果

学研教育総合研究所は2024年12月24日、全国の小中高生を対象とした「小学生・中学生・高校生白書」の調査結果を公表した。調査は2024年11月6日から14日にかけて実施され、小学生1,200名、中学生600名、高校生600名の有効サンプルを集計している。

お年玉の平均額について、小学生は20,225円で前年から839円減少し、中学生は27,499円で244円増加、高校生は27,963円で前回から182円減少という結果となった。推し活に関する調査では、推しがいる割合が小学生で53.4%、中学生で61.8%、高校生で70.7%と年齢が上がるにつれて増加傾向を示している。

将来なりたい大人像については、小学生は「人にやさしく接している」、中学生と高校生は「自分らしく自由に生きている」が1位となった。特に高校生では男女で傾向が分かれ、男子は「趣味を楽しんでいる」、女子は「自分らしく自由に生きている」が最も多い結果となっている。

2024年度学生生活実態調査まとめ

小学生 中学生 高校生
お年玉平均額 20,225円 27,499円 27,963円
推しがいる割合 53.4% 61.8% 70.7%
理想の大人像1位 人にやさしく接している 自分らしく自由に生きている 自分らしく自由に生きている

学生白書の詳細

推し活について

推し活とは、自分の好きなアイドルやアーティスト、キャラクターなどを応援する活動全般を指す言葉である。以下のような特徴が挙げられる。

  • 性別や年齢を問わず幅広い層で浸透している文化
  • SNSやイベントを通じた応援活動が中心
  • 推しのジャンルは年齢や性別によって傾向が異なる

今回の調査では、推しのジャンルについて小学生男子と高校生男子はYouTuber、中学生女子と高校生女子はアイドル、小学生女子と中学生男子はアニメ・まんがキャラクターが1位となっている。男女ともに年齢が上がるにつれて推しがいる割合が増加する傾向にあり、特に女子は男子と比べて15ポイント以上高くなっている。

生徒の価値観調査に関する考察

今回の調査で特筆すべき点は、学年が上がるにつれて「自分らしさ」を重視する傾向が強まっていることだ。小学生では人との関わりや友人関係を重視する傾向が強いのに対し、中学生以降は個人の自由や自己実現を重視する価値観へと変化している。将来の大人像として「自分らしく自由に生きている」が上位に挙がる点からも、現代の若者の価値観の特徴が見て取れる。

一方で、お年玉の使途として「貯金」が上位を占めているという結果は、経済観念や将来への意識の高さを示している。特に小学生のうちから貯金を意識している点は、金銭教育の成果として評価できるだろう。今後は、自己実現と経済的自立のバランスを考慮した教育支援がより重要になると考えられる。

推し活文化の広がりは、現代の若者のコミュニティ形成や自己表現の新しい形として注目に値する。特にSNSの普及により、推し活を通じた交流が活発化している点は、デジタルネイティブ世代の特徴を表している。教育現場でもこうした文化的特性を理解し、生徒の興味関心を活かした指導方法の開発が求められるだろう。

参考サイト/関連サイト

  1. PR TIMES.「【小学生白書・中学生白書・高校生白書2024】小学生・中学生・高校生の日常生活に関する調査【学研教育総合研究所】 | 株式会社 学研ホールディングスのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000007096.000002535.html, (参照 2025-01-08).