明治大学と日本電気が有機野菜の購入促進研究を発表、過剰な美意識の弊害に焦点を当てた新たなマーケティング手法の有効性を実証

明治大学と日本電気が有機野菜の購入促進研究を発表、過剰な美意識の弊害に焦点を当てた新たなマーケティング手法の有効性を実証

PR TIMES より

記事の要約

  • 明治大学と日本電気の共同研究が国際ジャーナルに掲載
  • 有機野菜の購入促進には過剰な美意識の弊害に焦点を当てた訴求が有効
  • 環境配慮と健康面より美意識の訴求が購入意向を高める結果に

明治大学商学部と日本電気の有機野菜購入促進に関する研究成果

明治大学商学部加藤拓巳専任講師と日本電気株式会社は、2024年12月23日にJournal of Consumer Marketingに共同研究成果を発表した。この研究ジャーナルはImpact Factor 2.70を持つABDC Journal Quality List – A rankingに掲載され、有機野菜の購入促進における新たなマーケティングコミュニケーション手法を提示している。

有機農産物の販売促進において、これまで環境配慮と健康という2つの側面が主な訴求ポイントとされてきた。しかし環境面は利他的要素であるため即時の価値を生まず、健康面は美しさのプレミアムにより通常の農産物の方が高評価となる傾向が見られることが判明している。

研究結果から、日本の有機農産物市場では環境配慮や健康面よりも、消費者の過剰な美意識がもたらす弊害に焦点を当てたマーケティングコミュニケーションの方が、購入意向を効果的に高められることが明らかになった。この発見は、有機農産物の新たな販売戦略の可能性を示唆している。

有機野菜購入促進研究の重要ポイント

項目 詳細
研究発表媒体 Journal of Consumer Marketing (Impact Factor 2.70)
研究主体 明治大学商学部加藤拓巳専任講師、日本電気株式会社
研究対象 日本における有機農産物の購買促進
主要な発見 過剰な美意識の弊害に焦点を当てた訴求の有効性
発表日 2024年12月23日

美しさのプレミアムについて

美しさのプレミアムとは、ステレオタイプ的に魅力的な人や物に対して価値を高く見積もってしまう心理的傾向のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • 外見的な魅力に基づく価値判断の偏り
  • 商品評価における見た目重視の傾向
  • 消費者の購買意思決定への影響力

有機農産物市場において美しさのプレミアムは、農薬や化学肥料で管理された通常の農産物を美味しく栄養豊富と評価してしまう原因となっている。この心理的バイアスは、フードロスや野菜の価格高騰といった社会問題にも影響を与えており、有機農産物の販売促進における重要な課題となっているのだ。

有機野菜の購買促進研究に関する考察

消費者の過剰な美意識に焦点を当てたマーケティングアプローチは、有機農産物市場における新たなブレイクスルーとなる可能性を秘めている。従来の環境配慮や健康訴求では克服できなかった購買障壁に対し、消費者心理の本質に迫るアプローチを提示することで、より効果的な販売促進が実現できるだろう。

今後は有機農産物生産者と流通業者が連携し、消費者の美意識バイアスを考慮した商品展開やマーケティング戦略の構築が求められる。特に日本市場では果物や野菜の見栄えを重視する傾向が強いため、この研究成果を活用した新たなコミュニケーション施策の展開が期待できるはずだ。

長期的には消費者教育や啓発活動を通じて、過剰な美意識がもたらす社会的影響への理解を深めることも重要となる。フードロスの削減や持続可能な農業の実現に向けて、消費者の価値観の変革を促す取り組みが必要不可欠である。

参考サイト/関連サイト

  1. PR TIMES.「有機野菜の購入促進には“過剰な美意識”の弊害に焦点をあてた訴求が有効−明治大学商学部加藤拓巳専任講師と日本電気株式会社の共同研究成果がJournal of Consumer Marketingに掲載− | 学校法人明治大学のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000176.000119558.html, (参照 2025-01-08).