京都芸術大学が障がい者アートを活用した建築現場の仮囲いデザインプロジェクトを開始、産学福連携による地域活性化を目指す

京都芸術大学が障がい者アートを活用した建築現場の仮囲いデザインプロジェクトを開始、産学福連携による地域活性化を目指す

PR TIMES より

記事の要約

  • 京都芸術大学が建築現場の仮囲いデザインプロジェクトを開始
  • 障がい者アーティストの作品を活用し地域貢献を目指す
  • 産学福連携による社会課題解決の新たな取り組み

産学福連携による建築現場の仮囲いデザインプロジェクト

非営利型株式会社andnaは、京都芸術大学とノーサイドSTUDIO、稲継工務店との産学福連携プロジェクトを2024年12月25日に発表した。建築現場の仮囲いを地域に価値をもたらすメディアとして再定義し、重症心身障がい者施設のアーティストの作品を活用したデザインに取り組むことになった。

このプロジェクトは京都芸術大学キャラクターデザイン学科の3年生を対象とした授業として実施され、障がい者アーティストとのオンライン交流から始まり、2024年3月には京都府向日市での仮囲いお披露目まで計画されている。学生の実践的な学びと障がい者アーティストの社会参加を同時に実現する新しい試みだ。

プロジェクトの背景には、建築現場の否定的なイメージを変えたいという稲継工務店の想いと、障がい福祉と社会をつなぐことを目指すandnaの理念が存在している。京都芸術大学でデザインを指導するandnaの坂田氏を通じて、学生たちがこの社会課題に取り組むこととなった。

プロジェクトスケジュール詳細

日程 内容 参加者
12月20日 プロジェクト導入・オンライン交流 学生・障がい者アーティスト・企業関係者
1月10日 リサーチ・アイデア出し 学生
1月17日 制作・中間発表 学生
1月24日 課題発表会 学生・障がい者アーティスト・企業関係者
3月 仮囲いお披露目 全関係者

andna公式サイト

重症心身障がい者施設について

重症心身障がい者施設とは、身体障がいと知的障がいが重複している人々を支援する専門的な福祉施設のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • 医療・福祉・教育の総合的なケアの提供
  • 専門的なリハビリテーションプログラムの実施
  • アート活動などの創造的な取り組みの支援

ノーサイドSTUDIOは2020年から重症心身障がい者によるアート活動を開始し、作品の受賞やグッズ制作など、新たな可能性を切り開いている。施設での取り組みは障がい者の社会参加と自己表現の機会を創出し、地域社会との架け橋となっている。

産学福連携プロジェクトに関する考察

建築現場の仮囲いをアートで彩るという発想は、地域社会における建設工事のネガティブなイメージを転換する可能性を秘めている。学生のデザイン力と障がい者アーティストの創造性が融合することで、従来にない価値が生まれる可能性が高いだろう。

今後の課題として、プロジェクトの継続性や他地域への展開可能性が挙げられる。建設業界全体での取り組みに発展させるためには、成功事例の蓄積と効果の可視化が重要になってくるだろう。

このプロジェクトを通じて、産業界と福祉分野の新たな協働モデルが構築される可能性がある。建築現場が地域社会との接点として機能し、障がい者アートの新たな展開場所となることで、共生社会の実現に向けた具体的な一歩となることが期待される。

参考サイト/関連サイト

  1. PR TIMES.「【産学福連携】「障がい者アート×京都芸術大学生×建築会社」建築現場の仮囲いを、地域をつなぐ人気者へ!デザインで社会課題を楽しく解決するプロジェクトが始動 | 非営利型株式会社andnaのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000139354.html, (参照 2025-01-08).