記事の要約
- マンダムと中京大学がヘアスタイリングの影響を研究
- ヘアスタイリングでポジティブ感情が増加し姿勢が安定化
- 学会で実験結果を発表し部活ヘアの活動に活用
ヘアスタイリングの気分と姿勢への影響研究
株式会社マンダムは中京大学スポーツ科学部荒牧研究室と共同で実施したヘアスタイリングの影響に関する実験結果を2024年11月2日に発表した。学生14名を対象とした実験では、研究対象者の希望するヘアスタイルを美容師が整髪料を用いて施術し、日本語版PANASと立位重心動揺の計測を実施している。
実験結果から、ヘアスタイリングを行うことでポジティブな感情の増加とネガティブな感情の減少が確認された。また立位姿勢の動揺についても、開眼時の総軌跡長が有意に減少することが明らかになっている。
マンダムは部活生の髪型ルールを考える活動の一環として、学生が自己表現と部活を両立できる環境づくりを目指している。化粧品や美容行動が生活者に与える影響についての研究を通じて、製品開発やコミュニケーションの向上に取り組んでいるのだ。
実験結果の詳細
実験条件 | 測定項目 | 結果 | |
---|---|---|---|
対象者 | 大学生14名 | 男子10名、女子4名 | 希望ヘアスタイル |
測定方法 | 日本語版PANAS | 立位重心動揺 | 30秒間計測 |
有意差検定 | 対応のあるt検定 | 有意水準p<0.05 | 開眼/閉眼で比較 |
PANASについて
PANASとはThe Positive and Negative Affect Scheduleの略称で、人の感情状態を評価するための心理測定尺度として広く活用されている。以下のような特徴を持つ評価システムだ。
- ポジティブ感情とネガティブ感情を独立して評価可能
- 16項目の簡易気分評定尺度で構成
- 信頼性と妥当性が検証済みの国際標準ツール
日本語版PANASはポジティブ情動8項目とネガティブ情動8項目の計16項目からなる評価システムで、感情状態を定量的に測定することができる。マンダムと中京大学の研究では、ヘアスタイリングの前後での感情変化を客観的に評価するツールとして採用されているのだ。
ヘアスタイリングの影響に関する考察
今回の研究で明らかになったヘアスタイリングと感情・姿勢の関係性は、美容行動が心理面と身体面に与える影響を科学的に示す重要な知見となっている。部活動における髪型ルールの策定においては、ヘアスタイリングがもたらすポジティブな効果と規律やマナーとのバランスを考慮する必要があるだろう。
今後は研究対象を中学生や高校生にも広げることで、年齢層による影響の違いを検証することが期待される。さらに競技種目による差異や長期的な効果の持続性についても、詳細な調査が求められるところだ。
美容行動が生徒のメンタルヘルスや運動パフォーマンスに与える影響について、より多角的な研究の展開が望まれる。部活動における自己表現の機会を確保しながら、教育現場に適した髪型ルールの確立に向けて、継続的な取り組みが必要となるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「マンダムが中京大学スポーツ科学部荒牧研究室と取組 「ヘアスタイリングが気分と姿勢に与える影響」に関する実験結果を学会で発表 | 株式会社マンダムのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000984.000006496.html, (参照 2025-01-08).