記事の要約
- 高知県立林業大学校がオンライン木造建築講座を開催
- 細木建築研究所と艸建築工房の代表取締役が登壇
- 各回の定員100名で無料のZoomオンライン講座を実施
高知県立林業大学校のオンライン木造建築講座の開催
高知県立林業大学校は建築実務者や学生向けのオンライン木造建築講座を2025年1月8日に公開した。このオンライン講座では、第2回目に高知県立牧野植物園新研究棟の木造設計者である細木建築研究所の細木淳氏が登壇し、自然環境と調和する木造建築について講演を行うことが決定している。
第3回目の講座では、艸建築工房の横畠康氏が登壇し、高知県における公共施設の木造建築の実績とCLTを活用した地域木造の設計手法について解説を行う予定だ。全講座はZoomを利用したオンライン形式で開催され、参加者は講師に直接質問できる機会も設けられている。
申込締切は各講座の開催2日前で、第2回の1月17日開催分は1月15日まで、第3回の1月24日開催分は1月22日までとなっている。全3回の講座は各回100名程度を定員とし、1回からの参加が可能となっており、建築や林業に関心を持つ幅広い層への門戸を開いている。
オンライン木造建築講座の開催概要
項目 | 詳細 |
---|---|
主催 | 高知県立林業大学校 |
後援 | 公益社団法人日本建築士会連合会/一般社団法人高知県木材協会 |
第2回開催日時 | 2025年1月17日(金)19:00〜20:30 |
第3回開催日時 | 2025年1月24日(金)19:00〜20:30 |
開催形式 | WEB会議システムZoomを利用したオンライン形式 |
対象者 | 建築実務者、建築を学ぶ学生、森林・林業関係者など |
CLTについて
CLTとは「Cross Laminated Timber(直交集成板)」の略称で、ひき板を繊維方向が直交するように積層接着した木質材料のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- 高い構造強度と耐火性能を持つ木質建材
- 大規模木造建築物の構造材として活用可能
- 環境負荷の低減と地域木材の有効活用に貢献
高知県では官民連携によってCLTの活用を推進しており、地域の木造建築設計手法に取り入れられている。林業県としての特性を活かし、CLTを用いた公共施設の木造化を積極的に進めることで、地域の木材産業の発展と環境に配慮した建築の普及に貢献している。
オンライン木造建築講座に関する考察
オンライン形式での開催により、地理的制約なく全国各地から参加できる点が画期的である。特に建築実務者や学生にとって、第一線で活躍する専門家から直接学べる機会は貴重であり、木造建築の知見を広める効果的な取り組みとなっている。
一方で、オンライン形式では実物の木材や建築現場の体感的な理解が難しい課題がある。将来的には、現地見学会とオンライン講座を組み合わせたハイブリッド形式の導入や、VR技術を活用した仮想的な建築現場体験の提供が求められるだろう。
このような専門的な講座の継続的な開催は、木造建築技術の伝承と発展に大きく寄与する。特に高知県のような林業県が主導して実施することで、地域の木材活用促進と環境配慮型建築の普及に向けた取り組みとしても注目される。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「2024年度/高知県立林業大学校 オンライン木造建築講座 第2回・第3回目の開催決定! | 高知県立林業大学校のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000050061.html, (参照 2025-01-10).