多摩大学とアイサンテクノロジーが包括連携協定を締結、自動運転移動サービスの社会実装に向けた取り組みを本格化

記事の要約
- 多摩大学とアイサンテクノロジーが包括連携協定を締結
- 自動運転移動サービスの社会実装に向けた連携を開始
- 社会課題解決と価値創造のための活動を推進
多摩大学とアイサンテクノロジーの包括連携協定
多摩大学とアイサンテクノロジー株式会社は、自動運転移動サービスにかかる社会課題の解決を目的として2025年1月9日に包括連携協定を締結した。両者は人的資源および知的資産を活用し、移動に関する社会課題の解決や共創による移動サービスの価値創造のための活動を連携・協力して推進することになる。
この協定に基づき、両者は自動運転の社会実装に関する研究・実証実験・成果公表、地域交通に関する学術研究や教育活動の情報発信などを行っていく形だ。すでに2024年11月末より東京都杉並区荻窪において、多摩大学の教員と学生約50名が共同で社会的受容性についての研究および現地調査等を実施している。
多摩大学は内閣府SIP第3期ならびに国立研究開発法人科学技術振興機構社会技術研究開発センターに採択された混在交通研究などのプロジェクトを通じ、自動運転の社会的受容性やELSIの研究を進めている。一方アイサンテクノロジー株式会社は、全国25地域で自動運転サービスの社会実装に取り組んでいるのだ。
包括連携協定の主な内容
項目 | 詳細 |
---|---|
研究活動 | 自動運転の社会実装に関する研究・実証実験・成果公表 |
情報発信 | 地域交通に関する学術研究や教育活動の成果の情報発信 |
教育活動 | 多摩大学の実施する授業等の教育活動および講演 |
人材育成 | 自動運転移動サービス業界に関する人材育成及びキャリア支援 |
ELSIについて
ELSIとは「Ethical, Legal and Social Issues(法的・倫理的・社会的課題)」の略称のことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 技術開発に伴う倫理的な課題の検討
- 法制度との整合性の確保
- 社会実装における社会的影響の評価
自動運転技術の社会実装においては、認知心理学から文化人類学まで13分野の研究者が学際的・横断的にELSIの研究を進めている。多摩大学では文理融合の社会工学系大学としての強みを活かし、自動運転の社会的受容性やELSIの研究を推進しているのだ。
包括連携協定に関する考察
多摩大学とアイサンテクノロジー株式会社の包括連携協定は、自動運転技術の社会実装において重要な意味を持つ取り組みだ。特に多摩大学が持つ13分野にわたる研究者の知見とアイサンテクノロジーの実証実験の実績を組み合わせることで、理論と実践の両面から自動運転の社会的受容性を高めることが期待できるだろう。
今後の課題として、異なる分野の研究者や企業の専門家が効果的に連携できる体制の構築が挙げられる。解決策としては、定期的な情報共有会議の開催や共同研究プロジェクトの立ち上げなど、具体的な協力体制の確立が必要になってくるだろう。
自動運転技術の社会実装には、技術面だけでなく社会的な受容性の向上が不可欠だ。この連携を通じて、地域住民の理解促進や安全性の実証、法制度の整備など、多角的なアプローチが実現することを期待したい。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「多摩大学との「包括連携協定」締結のお知らせ | アイサンテクノロジー株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000166.000050415.html, (参照 2025-01-16).