東京大学WPI-IRCNがSpringX超学校で脳科学・生命科学の特別講座を開催、最先端研究の知見を一般向けに発信

記事の要約
- ナレッジキャピタルがSpringX超学校で特別講座を開催
- 東京大学ニューロインテリジェンス国際研究機構の研究者による2講座
- 生命科学・脳科学の専門家による最新研究の解説を実施
東京大学WPI-IRCNとSpringX超学校の特別講座開催
一般社団法人ナレッジキャピタルと株式会社KMOは、東京大学国際高等研究所ニューロインテリジェンス国際研究機構の研究者による特別講座を2025年2月に2回開催することを2025年1月16日に発表した。SpringX超学校は幼児から大人まで幅広い年齢層を対象とし、イノベーティブ人材の育成を目的としたナレッジキャピタルのオリジナルプログラムとなっている。
WPI-IRCNは2017年10月に文部科学省世界トップレベル研究拠点プログラムに採択され設立された研究機構で、脳科学・精神医学・AIの研究を通じてヒトの知性の本質理解を目指している。今回の特別講座では主任研究者の岡田康志氏と河西春郎氏が、それぞれ生きた細胞の観察技術と脳と人工知能の違いについて解説を行うのだ。
2月4日の講座では岡田康志氏が1ミリの1/100程度の大きさの細胞内で働くタンパク質分子の研究について、2月18日の講座では河西春郎氏が神経細胞のシナプスの精密な運動と心の関係性について講義を実施する。両講座ともオンライン配信を実施し、一般の方々が最先端の研究に触れる機会を提供している。
特別講座の開催概要
第1回講座 | 第2回講座 | |
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開催日時 | 2025年2月4日 19:30-20:30 | 2025年2月18日 19:30-20:30 |
講師 | 岡田康志氏 | 河西春郎氏 |
テーマ | 超すごい顕微鏡で生きた細胞を視る | 動く心と人工知能―新たに見えてきた違いー |
参加方法 | 事前申込制 | 申込不要 |
シナプスについて
シナプスとは、神経細胞同士が情報を伝達する特殊な接合部位のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 情報伝達を担う精密な構造を持つ
- 可塑性があり形態や機能が変化する
- 学習や記憶の基盤となる重要な要素
シナプスは人工知能のニューラルネットワークでも模倣されている重要な構造だが、生体のシナプスは精密な運動性を持っており、その動きが個性や感情、さらには精神疾患にも関与していることが研究で明らかになってきている。WPI-IRCNの研究では、このシナプスの動きと脳機能の関係性の解明を目指している。
WPI-IRCNの特別講座に関する考察
SpringX超学校を通じて最先端の研究成果を一般向けに発信する取り組みは、科学リテラシーの向上に大きく貢献する可能性を秘めている。特に生命科学や脳科学という複雑な分野を、顕微鏡技術や人工知能との比較という身近な切り口で解説することで、より多くの人々の興味を引き出すことができるだろう。
今後の課題として、オンライン配信による双方向のコミュニケーションをいかに実現するかという点が挙げられる。参加者からの質問や意見を効果的に取り入れる仕組みを整備することで、より深い理解と議論が可能になるはずだ。また、講座内容のアーカイブ化や教育機関での活用など、知識の共有と継続的な学習機会の提供も検討する必要がある。
将来的には、このような取り組みを通じて、脳科学と人工知能の研究成果を社会実装につなげる人材の育成も期待される。研究者と一般市民の対話を促進し、科学技術の発展と社会的受容の両立を図ることが、より良い未来社会の創造につながるのではないだろうか。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「ニューロインテリジェンス国際研究機構(東京大学)との特別講座をSpringX超学校にて開催 | 一般社団法人ナレッジキャピタルのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000252.000014551.html, (参照 2025-01-16).