オンライン大学卒業生の採用意欲が高まり、採用担当者の4割が積極採用を検討

記事の要約
- 採用業務経験者の約8割が人材不足を実感
- オンライン大学卒業生の68.2%が高評価
- オンライン大学卒業生への採用意欲が約4割
オンライン大学卒業生の採用に対する企業の意識調査
サイバー大学は人材不足に悩む企業の動向を把握するため、過去1年間に採用業務を担当した経験のある1,100人を対象に調査を実施した。採用業務経験者の約8割が自社の人材不足を実感しており、約4割が直近1年で十分な採用活動ができていないという深刻な現状が明らかになった。
オンライン大学に対するイメージの調査では、自律的な学習姿勢が30.6%、ITリテラシーの高さが27.1%という結果が出ており、現代のビジネス環境に適応した人材として評価されている。一方で採用業務経験者の31.1%が協調性やコミュニケーション能力に不安を感じているという課題も浮き彫りになった。
通学制大学の卒業生と比較した評価では、即戦力として活躍できるという回答が23.5%でトップとなり、リモートワークへの適性の高さが19.5%で続いている。企業の採用基準が学歴よりも実力重視に移行しており、約4割の採用業務経験者が今後オンライン大学卒業生を積極的に採用したいと回答した。
オンライン大学卒業生の採用状況まとめ
企業の評価 | 課題点 | 今後の展望 | |
---|---|---|---|
主な特徴 | 自律的な学習姿勢(30.6%) | コミュニケーション不安(31.1%) | 積極採用意向(39.9%) |
強み | ITリテラシーの高さ(27.1%) | 個人の能力次第(17.5%) | 即戦力として期待(23.5%) |
実績評価 | 入社後の高評価(68.2%) | 学歴フィルタ課題(16.9%) | リモートワーク適性(19.5%) |
リモートワーク適性について
リモートワーク適性とは、オフィスに出社せずに自宅やその他の場所から業務を遂行できる能力のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 自律的なタイムマネジメント能力
- オンラインツールを活用したコミュニケーション力
- デジタル環境での業務遂行能力
オンライン大学の卒業生は、在学中からオンライン上での学習やコミュニケーションを日常的に行っており、リモートワークに必要なスキルを自然と身につけている。企業の採用担当者の19.5%がリモートワークへの適性の高さを評価しており、今後のハイブリッドワーク環境下での活躍が期待されている。
オンライン大学卒業生の採用動向に関する考察
オンライン大学卒業生の採用が増加傾向にある背景には、デジタルトランスформーションの加速による働き方の変化が大きく影響している。特にコロナ禍以降、企業のリモートワーク導入が進み、オンライン環境での業務遂行能力や自律的な学習姿勢を持つ人材への需要が高まっているのだ。
今後の課題として、オンライン大学卒業生のコミュニケーション能力に対する企業側の不安を解消する必要がある。オンライン上でのコミュニケーションスキルを活かしつつ、対面でのコミュニケーション能力も強化することで、より多くの企業からの評価向上につながるだろう。
また、企業側には学歴フィルターにとらわれない採用基準の確立が求められる。個人の能力や適性を重視した評価制度を構築することで、多様な教育背景を持つ人材の活用が進み、イノベーションの創出にもつながっていくはずだ。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「【オンライン大学卒業生の採用に関する調査】採用業務経験者の約4割が、オンライン大学卒業生を今後積極的に採用したいと回答 | 株式会社サイバー大学のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000029535.html, (参照 2025-01-18).