日本人歯科医が医療ベトナム語試験に初合格、地域医療支援の可能性が大きく広がる

記事の要約
- 日本人歯科医が医療ベトナム語試験に初合格
- 通訳なしで単独での歯科診療が可能に
- 地域医療支援活動の拡大を目指す
AGRIEX社所属歯科医によるベトナム医療ベトナム語試験合格
株式会社HOLUSは、ベトナム現地法人AGRIEX所属の幾島章仁歯科医師が2024年11月2日にホーチミン医科薬科大学で実施された医療ベトナム語試験において日本人として初めて合格したことを発表した。この合格により幾島医師は既に取得済みのベトナム医師免許で指定通訳者を介さずに単独で診療を行えるようになるだろう。
AGRIEXでは従業員及びその家族の健康支援として第2工場内にデンタルルームを建設中であり、口腔衛生と健康をサポートする体制を整えている。将来的には訪問診療車を活用した僻地での歯科診療も視野に入れており、医療アクセスが限られた地域へのサービス提供を目指すところだ。
現在はTra Vinh大学の口腔衛生プロジェクトへの参画や地域の孤児院での口腔衛生指導を実施しており、TUE MINH孤児院やLUC HOA孤児院など4つの孤児院で定期的な検診とフッ素塗布を行っている。今後は実際の診療も併せて実施することが可能となり、地域支援活動の幅が広がることになるだろう。
医療ベトナム語試験合格の詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
合格日 | 2024年11月2日 |
試験実施機関 | ホーチミン医科薬科大学 |
合格者 | 幾島章仁歯科医師(北海道札幌市出身) |
所属企業 | AGRIEX(株式会社HOLUSベトナム現地法人) |
活動地域 | Tra Vinh省、Lam Dong省など |
ヘルスプロモーションについて
ヘルスプロモーションとは、個人が自ら健康を管理・改善できる力を育む理念のことを指しており、以下のような特徴を持つ概念である。
- WHOのオタワ憲章に基づく健康管理の考え方
- 予防の押し付けではなく自主的な健康管理を重視
- 医療者が支援者として関わる体制作り
幾島医師はベトナムにおける予防歯科の啓蒙・普及活動を通じて、ヘルスプロモーションの理念を実践している。医療ベトナム語試験合格を機に、より直接的な歯科治療の提供が可能となり、予防から治療までを一貫して行える体制が整うことになるだろう。
医療ベトナム語試験合格に関する考察
幾島医師の医療ベトナム語試験合格により、ベトナムの地方における日本人医師による直接的な医療サービスの提供が可能となった点は画期的である。これまで都市部に限定されていた外国人医師の診療活動が地方にも拡大することで、医療アクセスの改善に大きく貢献することが期待できるだろう。
地域の医療機関との連携や後進の育成にも取り組んでいる点は、持続可能な医療支援モデルの構築という観点で重要な意味を持つ。ベトナムの歯科医療における予防意識の向上や、口腔衛生に関する知識・技術の普及に大きな影響を与えることが予想されるだろう。
企業理念に基づく地域貢献活動の一環として医療支援を位置づけている点も注目に値する。従業員とその家族の健康管理から始まり、地域全体の医療環境の向上へと活動を広げていく取り組みは、企業の社会的責任を果たす新しいモデルケースとなるはずだ。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「医療ベトナム語試験に日本人歯科医が初合格 | 株式会社HOLUSのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000052134.html, (参照 2025-01-20).