すららネットのICT教材がエジプト日本学校4校に導入、放課後授業での算数力向上と地域格差解消を目指す取り組みが本格化

記事の要約
- すららネットのICT教材がエジプトの公立校4校で導入開始
- 日本式教育を導入するEJSで算数力向上を目指す取り組み
- 4、5年生約70名を対象に放課後授業での活用を開始
すららネットのSurala Mathがエジプト日本学校で導入開始
株式会社すららネットは、海外向け算数/数学ICT教材「Surala Math」をエジプト日本学校4校に2025年1月21日より導入した。エジプトの教育現場ではクラスの過密化や教員不足が課題となっており、暗記や試験に偏重した授業形態により、IEA国際数学・理科教育動向調査で成績下位に位置していた。
エジプト政府は2016年に日本と「エジプト・日本教育パートナーシップ」を締結し、2018年より日本式教育を導入する教育改革を開始した。現在51校のエジプト日本学校で特別活動を中心とした日本式教育が展開されており、児童生徒の主体性や協調性の育成に取り組んでいる。
すららネットのICT教材は、都市部と地方部の計4校で小学4、5年生の希望者約70名を対象に放課後授業として導入された。特に南部アスワン地域での申し込みが多く、プレイスメント・テストでは地域による学力格差が確認されており、教材活用を通じた学力向上と格差解消が期待されている。
Surala Mathの機能と導入状況まとめ
導入校の状況 | 対象と範囲 | 特徴と機能 | |
---|---|---|---|
基本情報 | エジプト日本学校4校 | 小学4、5年生約70名 | インタラクティブなアニメーション学習 |
提供形態 | 放課後授業 | 算数基礎学力の定着 | 自己ペースでの学習が可能 |
言語対応 | 英語版を使用 | 小学校高学年から中学範囲 | 各国のシラバスに対応 |
eラーニングについて
eラーニングとは、電子的なデバイスやインターネットを活用したオンライン学習システムのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- 時間や場所を選ばず学習可能な柔軟性
- 個々の学習進度に合わせた最適化された学習環境
- 学習履歴の管理と進捗状況の可視化機能
すららネットは2020年からJICAの調査事業を通じてエジプトでeラーニング導入の実証実験を行ってきた。現地の教員・生徒・保護者からの受け入れを検証し、2022年6月に調査を完了して本格的な事業化に向けた取り組みを開始している。
エジプト日本学校でのICT教材導入に関する考察
エジプト日本学校へのすららネットのICT教材導入は、日本式教育の特徴を活かしながらデジタル技術を効果的に組み合わせる試みとして注目に値する。特に地域による教育格差が存在するエジプトにおいて、標準化された教材の提供は学力向上の有効な手段となり得るだろう。
今後の課題として、インターネット環境の整備や教員のICTリテラシー向上が挙げられる。現地の通信インフラや教育現場のデジタル化の状況に応じて、オフライン学習機能の充実やより使いやすいインターフェースの開発が必要となってくるだろう。
将来的には、エジプトの教育カリキュラムとの更なる連携や、アラビア語版の開発も検討される可能性がある。現地の教育ニーズに合わせたローカライズと、日本式教育の良さを活かした独自のコンテンツ開発が、プロジェクトの成功につながるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「日本式教育導入のエジプト公立学校の放課後授業ですららネットの海外向け算数/数学ICT教材を活用 | 株式会社 すららネットのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000533.000003287.html, (参照 2025-01-22).