レメディ・アンド・カンパニーがタイSICRESと基本合意を締結、感染症臨床試験の国際展開を加速
記事の要約
- レメディ・アンド・カンパニーがタイのSICRESと基本合意を締結
- 感染症グローバル開発プラットフォームの被験者候補が15万人規模に
- 100日以内のワクチン開発を目指し9か国13機関と合意締結
感染症臨床試験の国際展開強化
レメディ・アンド・カンパニーは2024年12月17日、タイ国立マヒドン大学シリラート病院の臨床研究センターSICRESとデング熱やマラリアなどの感染症臨床試験促進に向けた基本合意を締結した。同社の感染症グローバル開発プラットフォームの被験者候補数は15万人規模へと拡大している。
タイはデング熱やマラリアが蔓延する国の一つであり、東南アジアで最も多い44件の感染症臨床試験が実施されている。CHIM試験にも積極的に取り組んでおり、アジアにおける臨床試験の重要な拠点となっている。
レメディ・アンド・カンパニーは2024年に9か国13機関と感染症の臨床試験促進に向けた基本合意を締結している。感染症グローバル開発プラットフォームのネットワーク強化を実現し、提案可能な地域と疾患領域を拡大した。
感染症グローバル開発プラットフォームの概要
項目 | 詳細 |
---|---|
主な対象疾患 | デング熱、結核、マラリア、COVID-19、寄生虫感染症 |
対象製品 | ワクチン、治療薬、体外診断用医薬品 |
提供サービス | 臨床試験支援、開発戦略立案、データ収集システム提供 |
展開地域 | 東南アジア、南アジア、南米、アフリカ |
被験者規模 | 15万人 |
NTDsについて
NTDsとは「顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases)」の略称で、WHOが制圧すべき疾患として指定している感染症群のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- 水や衛生環境が整っていない貧困地域での蔓延
- 世界で10億人以上が罹患している深刻な感染症
- 個人の生活と地域経済に重大な影響を及ぼす
NTDsの臨床開発においては、現地の医療機関との密接な連携と適切な被験者の確保が不可欠となる。感染症グローバル開発プラットフォームは、こうした課題に対して包括的なソリューションを提供することで、効率的な治療薬やワクチンの開発を支援している。
感染症グローバル開発プラットフォームに関する考察
感染症グローバル開発プラットフォームの最大の利点は、グローバルサウス全域をカバーする強力な研究ネットワークの構築にある。各地域の感染症実態や人種特性に関する知見を活用することで、より効率的な臨床開発が可能となるだろう。
今後の課題として、異なる医療システムや規制環境への対応が挙げられる。各国の規制当局との連携強化や、データ品質の標準化が重要になってくるはずだ。さらに、デジタル技術の活用によるリモートモニタリングの導入も検討する必要がある。
将来的には、人工知能やビッグデータ解析を活用した臨床試験の効率化も期待される。15万人規模の被験者データを活用することで、より精度の高い試験計画の立案や、副作用の早期発見が可能になるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「タイ国立マヒドン大学 シリラート病院 SICRESとの基本合意締結「100日以内のワクチン完成」を目指し、1年で9か国13機関との合意締結 | レメディ・アンド・カンパニー株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000098033.html, (参照 2025-01-23).