シャイン・オン・キッズがビーズ・オブ・カレッジを2病院に新規導入、全国で30施設の展開へ

記事の要約
- シャイン・オン・キッズが2病院にビーズ・オブ・カレッジを導入
- 日本国内のビーズ・オブ・カレッジ導入施設が30施設に到達
- 子どもたちの治療過程を色とりどりのビーズで記録
小児がん患者向けアート介在療法の新規導入
認定NPO法人シャイン・オン・キッズは2025年1月17日、大阪母子医療センターと群馬県立小児医療センターにアメリカ発の心のケアプログラム「ビーズ・オブ・カレッジ」を導入したことを発表した。シャイン・オン・キッズはビーズ・オブ・カレッジを展開できる組織として認証を受けた日本で唯一の組織であり、今回の導入により国内の実施施設は30施設となった。
ビーズ・オブ・カレッジは入院中の患児とその家族に対して実施される心のケアプログラムで、治療ごとに意味のあるビーズをつないでいく独自のアート介在療法となっている。輸血時には赤いビーズ、脱毛時には顔のビーズなど、各治療に対応したビーズを医療スタッフと会話をしながら子どもたち自身がつないでいくことで、治療の過程を視覚的に記録することができる。
群馬県立小児医療センターでは2023年に丸紅基金の助成を受け、10代の患者を対象とした「心疾患自立支援プログラム」の一環としてビーズ・オブ・カレッジを試験的に導入していた。10名の患児による試験導入の成果を経て、今回の正式導入に至ったことで、より多くの患児への支援が可能となっている。
ビーズ・オブ・カレッジの実施状況
導入状況 | 実施内容 | 期待される効果 | |
---|---|---|---|
主な特徴 | 全国30施設で展開 | 治療別のビーズ記録 | 自己肯定感の向上 |
対象者 | 入院中の小児患者 | 医療スタッフとの対話 | 治療過程の可視化 |
実施方法 | ビーズ大使による支援 | 治療に応じたビーズ選択 | コミュニケーション促進 |
アート介在療法について
アート介在療法とは、芸術活動を通じて患者の心理的支援や治療効果の向上を目指す治療法のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 創作活動を通じた心理的ストレスの軽減
- 自己表現による感情の整理と理解の促進
- 治療過程の視覚化による前向きな取り組み支援
ビーズ・オブ・カレッジプログラムでは、患児が治療の経過をビーズで表現することで、自身の治療への理解を深め、周囲とのコミュニケーションを促進することができる。ビーズという具体的な形で治療の歩みを記録することで、患児の自己肯定感を高め、治療への意欲を引き出す効果が期待される。
ビーズ・オブ・カレッジプログラムに関する考察
ビーズ・オブ・カレッジプログラムの導入により、小児がん患者の治療過程における心理的サポートが強化されることが期待できる。医療スタッフとの対話を通じてビーズを選択し記録していく過程は、患児の治療への理解を深め、自己肯定感を高める効果的な方法となっているだろう。
今後の課題として、プログラムを実施する医療スタッフの養成や、より多くの医療機関への展開が挙げられる。各地域の中核病院でプログラムを実施できる体制を整えることで、より多くの患児が心理的サポートを受けられるようになることが望まれる。
将来的には、オンラインでのプログラム提供や、退院後のフォローアップへの活用なども検討の余地がある。デジタル技術との連携により、より柔軟で継続的な支援が可能となり、患児とその家族の心理的サポートの幅が広がることが期待される。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「大阪母子医療センターと群馬県立小児医療センターにアート介在療法「ビーズ・オブ・カレッジ(アメリカ発の心のケアプログラム)を新規導入しました。 | 特定非営利活動法人シャイン・オン・キッズのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000107.000023199.html, (参照 2025-01-18).