千葉大学が環境エネルギーマネジメント実務士を45名認定、20年間で774名の資格取得者を輩出し実務教育として定着

記事の要約
- 千葉大学が環境エネルギーマネジメント実務士を45名認定
- 20年間で774名の資格取得者を輩出
- 学生主体のEMS運用を実務教育として展開
千葉大学環境エネルギーマネジメント実務士の資格認定制度
千葉大学は2024年12月25日、西千葉キャンパスにて「千葉大学環境エネルギーマネジメント実務士」の資格認定証授与式を実施し、環境ISO学生委員会の3年生45名に認定証を授与した。千葉大学はISO14001とISO50001を取得し、環境・エネルギーマネジメントシステムの運用を学生主体で行っており、独自の教育システムを構築している。
環境マネジメントシステム実習では、1年次にEMSの基礎知識とノウハウを習得し、2年次にはリーダーとして班員を統率しながら環境活動を推進する実践的な経験を積む機会を提供している。3年次には希望者向けのインターン科目を設置し、企業や自治体のEMS関連部署で実践的なスキルを磨くことが可能だ。
この資格認定制度は2005年度から開始され、2024年度までの20年間で計774名の資格取得者を輩出している。資格取得者数は年々増加傾向にあり、2020年度以降は毎年40名以上の学生が資格を取得するなど、環境マネジメントの実務教育として確実に成果を上げている。
千葉大学環境ISO学生委員会の活動内容
項目 | 詳細 |
---|---|
組織設立年 | 2003年 |
所属人数 | 約200名(1~3年生) |
主な活動班 | エネルギー班、紙班、ごみ班、堆肥化班、学外緑化班、構内美化班、学外教育班、環境報告書班、地域交流班 |
取得規格 | ISO14001(2005年)、ISO50001(2013年、2019年に自己宣言化) |
特徴的な取り組み | 企業連携プロジェクト、NPO法人としての里山保全活動、環境出前授業 |
環境マネジメントシステムについて
環境マネジメントシステム(EMS)とは、組織が環境方針を策定し、環境負荷の低減や環境保全活動を計画的かつ継続的に実施するための仕組みのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- 環境負荷の継続的な低減を目指す管理システム
- PDCAサイクルに基づく体系的なアプローチ
- 国際規格ISO14001による標準化された運用方法
EMSは組織の環境パフォーマンスを向上させるための重要なツールとして、多くの企業や教育機関で導入されている。千葉大学では学生主体でEMSを運用することで、実務教育としての価値を高めながら環境負荷削減と人材育成の両立を実現している。
千葉大学環境エネルギーマネジメント実務士制度に関する考察
千葉大学の環境エネルギーマネジメント実務士制度は、学生が主体的にEMSの運用に携わることで実践的なスキルを習得できる点が特に優れている。環境マネジメントの知識だけでなく、リーダーシップやプロジェクト管理能力も養成できる実践的な教育プログラムとして高い評価を得ることができるだろう。
ただし今後は、デジタル化や新技術の導入に伴う環境マネジメントの変化にも対応していく必要がある。カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーなど、新たな環境課題に対応できる人材育成の仕組みを整備することが求められるだろう。
また、企業や自治体との連携をさらに強化し、インターンシップの受け入れ先を拡大することも重要である。実社会での経験を通じて学生の視野を広げ、環境マネジメントの実践力を高めることができる環境を整備することが期待される。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「「千葉大学環境エネルギーマネジメント実務士」を20年間で774名輩出 2024年度は学生45名に資格を認定 | 国立大学法人千葉大学のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000934.000015177.html, (参照 2025-01-20).