千葉工業大学が超小型衛星BOTAN開発に成功、2025年夏に宇宙ステーションへ打ち上げ予定

千葉工業大学が超小型衛星BOTAN開発に成功、2025年夏に宇宙ステーションへ打ち上げ予定

千葉工業大学が超小型衛星BOTAN開発に成功、2025年夏に宇宙ステーションへ打ち上げ予定

PR TIMES より

記事の要約

  • 千葉工業大学の学生が製造した超小型衛星「BOTAN」がJAXAに引き渡し
  • 2025年夏にSpaceX社のロケットで国際宇宙ステーションへ打ち上げ予定
  • オーロラ観測や太陽電池パネルの宇宙実証など6つのミッションを実施

千葉工業大学の学生製造の超小型衛星4号機BOTANの開発成功

千葉工業大学は2025年2月28日、学部2年生が2023年4月から製造に着手した超小型人工衛星4号機「BOTAN」をJAXAへ引き渡した。この超小型衛星は高度技術者育成プログラムの一環として開発され、10cm×10cm×10cmのキューブサット形状を採用している。

高度技術者育成プログラムでは既に3機の衛星を打ち上げており、「KASHIWA」「SAKURA」「YOMOGI」が2024年にISSから順次放出され運用に成功している。BOTANは2025年夏にSpaceX社のFalcon9ロケットで打ち上げられ、ノースロップグラマン社のシグナス補給船で国際宇宙ステーションへ輸送される予定だ。

BOTANのミッションには基本機能の動作確認や画像取得の他、オーロラ観測、トウモロコシの生育状況調査、海底火山噴火時の軽石調査など複数の独自ミッションが含まれている。また出光興産との共同ミッションとして、新型太陽電池パネルの宇宙実証も予定されている。

BOTANのミッション概要

項目 詳細
基本ミッション 衛星基本機能の宇宙空間での動作確認、撮影画像の地球上での復元
観測ミッション オーロラ観測、太陽フレアの影響調査、トウモロコシ生育状況調査、海底火山噴火時の軽石調査
技術実証 ジャイロセンサによる衛星姿勢情報収集、CIGS太陽電池パネルの宇宙実証
通信サービス APRSによるアマチュア無線家へのサービス提供

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キューブサットについて

キューブサットとは、1辺10cmの立方体サイズで質量約1kgの超小型人工衛星を指す用語である。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。

  • 大学や企業が衛星製造・運用を学ぶ入門機として活用
  • 標準規格により開発コストと期間を大幅に削減可能
  • 3U(30cm)サイズや複数機による実用的な利用も開始

キューブサットは世界中の教育機関や企業で採用されており、宇宙開発の裾野を広げる重要な役割を果たしている。近年では単なる教育用途を超えて、地球観測や通信、科学観測など実用的なミッションにも活用され始めており、宇宙ビジネスの発展に貢献している。

超小型衛星BOTANに関する考察

千葉工業大学の高度技術者育成プログラムにおける4機目の衛星開発は、学部2年生から実践的な宇宙開発教育を行う取り組みとして高く評価できる。特に打ち上げに必要な各種申請や試験を学生自らが担当する点は、実務経験を積む上で非常に有意義な機会となっているだろう。

今後の課題として、開発された技術やノウハウの継承システムの確立が重要となってくる。学年を超えた知識の伝達や、過去の開発で得られた教訓を次のプロジェクトに活かす仕組みづくりが、プログラムの更なる発展には不可欠だ。

将来的には、他大学や企業との共同開発プロジェクトへの発展も期待される。特に出光興産との太陽電池パネル実証のような産学連携の取り組みは、学生の実践的な学びと企業の技術革新の両方に寄与する可能性を秘めている。

参考サイト/関連サイト

  1. PR TIMES.「学生が製造した超小型衛星4号機「BOTAN」2025年夏、宇宙へ! | 千葉工業大学のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000042635.html, (参照 2025-03-04).

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