島根県立大学が第一回国際コミュニケーションコース優秀卒業研究発表会を開催、グローバル人材育成の成果を示す

記事の要約
- 島根県立大学が第一回国際コミュニケーションコース優秀卒業研究発表会を開催
- 5名の学生が研究成果を発表し、表彰状と副賞を授与
- 留学経験を活かした研究発表で、グローバル人材育成の成果を示す
島根県立大学国際コミュニケーションコースの優秀卒業研究発表会の開催
島根県立大学は2025年1月29日に第一回国際コミュニケーションコース優秀卒業研究発表会を開催し、選出された5名の学生が研究成果を発表した。発表した学生たちには栄誉を称える表彰状と副賞として図書券が授与され、国際コミュニケーションコースの在学生と教員が参加してプレゼンテーションを聴講した。
優秀卒業研究に選ばれた5名のうち4名は留学経験を持つ学生であり、その経験を研究に活かした成果が示された。台湾の台中科技術大学への留学経験者である下田紗季氏は、LGBTQ+に関する日本と台湾の認識の違いを研究テーマとして選び、留学中の体験が研究意欲の向上につながったことを報告している。
発表された研究テーマは、中国語の方向補語習得における誤用分析から英語教育の効果的指導法まで多岐にわたっている。国際コミュニケーションコース3年生の直井祐衣氏は先輩たちの堂々とした発表に刺激を受け、自身の研究への意欲を新たにしたことを語っている。
優秀卒業研究発表の概要
発表者 | 研究テーマ | 研究分野 |
---|---|---|
遠藤愛梨 | 日本語母語話者の中国語の方向補語習得における誤用について | 中国語教育 |
下田紗希 | The Difference of Awareness About Sexual Minority in Japan and Taiwan | 国際比較研究 |
白坂夏海 | The Language of Advertising in Light of Politeness Theory | 言語学 |
長谷川達也 | How University Students React to Various English Accents | 英語学 |
安武菜穂 | 小学校における効果的な英語指導法の分析 | 英語教育 |
方向補語について
方向補語とは、中国語文法において動作の方向や結果を表す文法要素であり、動詞の後ろに置かれて動作の向きや到達点を示す機能を持っている。以下のような特徴が挙げられる。
- 動作の空間的な方向を示す基本的な用法
- 抽象的な意味や心理的な方向性を表現する拡張用法
- 結果や状態の変化を表す補助的な機能
日本語母語話者にとって方向補語の習得は特に困難な文法項目の一つとされており、誤用分析の研究対象として重要である。中国語学習において方向補語の正確な理解と使用は、自然な中国語表現の習得につながる重要な要素として位置づけられている。
国際コミュニケーションコースの卒業研究に関する考察
島根県立大学国際コミュニケーションコースの卒業研究発表会は、グローバル人材育成の成果を示す重要な機会となった。留学経験者が多く選出されたことは、実践的な国際経験が研究の質を高める要因となることを示しており、今後の教育プログラムにおいても留学制度の更なる充実が期待される。
研究テーマの多様性は、言語教育から国際比較研究まで幅広い分野をカバーしており、学際的なアプローチの重要性を示している。今後は研究成果の社会実装や地域貢献への展開が課題となるが、産学連携や地域との協働を通じて、研究成果の実践的な活用が進むことが望まれる。
グローバル化が進む現代社会において、言語とコミュニケーション能力の重要性は一層高まっている。国際コミュニケーションコースの卒業研究は、理論と実践を結びつける試みとして評価でき、今後は研究成果の国際的な発信や他大学との研究交流の活性化が期待される。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「第一回国際コミュニケーションコース優秀卒業研究発表会を開催【島根県立大学】 | 公立大学法人島根県立大学のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000136.000088950.html, (参照 2025-03-04).