岡山大学がTCカレッジ医工系コース上級カリキュラムを開催、日立ハイテクとの連携で技術職員の専門性向上へ

記事の要約
- 岡山大学がTCカレッジ医工系コース上級カリキュラムを開催
- 株式会社日立ハイテクと連携し電子顕微鏡の実践的技術を習得
- 技術職員の高度専門人材養成と産学連携を強化促進
岡山大学のTCカレッジ医工系コース上級カリキュラム開催について
岡山大学の技術統括監理本部を組織する総合技術部は、2025年1月27日から28日にかけて株式会社日立ハイテク那珂地区でTCカレッジ医工系コース上級カリキュラム「走査型・透過型電子顕微鏡(応用)」を開催した。このカリキュラムでは株式会社日立ハイテクのSEM応用技術開発担当の宮木充史技師とTEM応用技術開発担当の和久井亜希子技師が講師を務め、岡山大学総合技術部医学系技術課の楢崎正博技術専門職員と塚野萌美技術主任が受講を行った。
カリキュラムは透過型電子顕微鏡と走査型電子顕微鏡を用いて、基本的な原理や操作についての確認から最新の解析機能やアプリケーションまでを網羅的に学ぶ内容となった。受講生が作製したサンプルを観察する場面では、トラブルシューティングやより良い電顕像を撮影するために必要な調整や機能について実践的な知識・技術を習得する機会となっている。
岡山大学総合技術部は2022年度より東京科学大学が主導しているTCカレッジにサテライト校として参画しており、技術職員の高度化や研究設備機器共用等の強化・促進を目指している。本カリキュラムは文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の一環として実施され、地域と地球の未来を共創する研究大学としての取り組みを加速させる狙いがある。
電子顕微鏡カリキュラムの詳細
初日 | 2日目 | |
---|---|---|
使用機器 | 走査型電子顕微鏡SEM、FIB-SEM | 透過型電子顕微鏡TEM、STEM |
講師 | 宮木充史技師 | 和久井亜希子技師 |
受講者 | 楢崎正博技術専門職員、塚野萌美技術主任 | 楢崎正博技術専門職員、塚野萌美技術主任 |
電子顕微鏡について
電子顕微鏡とは、光の代わりに電子線を使用して試料を観察する顕微鏡のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- 光学顕微鏡よりも高い倍率と分解能を実現
- 走査型(SEM)と透過型(TEM)の2種類が存在
- ナノレベルでの観察や分析が可能
岡山大学総合技術部が導入している日立ハイテクの電子顕微鏡は、最新の解析機能とアプリケーションを搭載している。走査型電子顕微鏡FIB-SEMのHITACHI NX-9000や高さ3mを超す透過型電子顕微鏡HITACHI HF5000など、高度な研究・分析を可能にする最先端の機器が設置されている。
TCカレッジ医工系コースに関する考察
TCカレッジ医工系コースの上級カリキュラムは、技術職員の実践的なスキル向上と産学連携の強化という二つの重要な目的を達成する取り組みとなっている。特に株式会社日立ハイテクという最先端の技術を持つ企業との連携により、理論と実践の両面から深い学びを得られる機会を創出することができた。
技術職員の高度化に向けた取り組みは、研究支援体制の強化と研究成果の質的向上に直結する重要な課題となっている。今後は他の研究機関や企業との連携をさらに拡大し、より多様な分野での技術力向上を図ることが期待される。
地域中核・特色ある研究大学としての機能を強化するためには、継続的な人材育成と設備の充実が不可欠である。TCカレッジの取り組みを通じて、技術職員の専門性向上と研究基盤の整備を両輪として進めることで、より高度な研究支援体制の構築が可能になるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「【岡山大学】TCカレッジ医工系コース上級カリキュラムを株式会社日立ハイテクで開催~産学連携推進、総合技術部の技術・知識向上を目指す~ | 国立大学法人岡山大学のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002947.000072793.html, (参照 2025-03-04).