天地人とマレーシア科学大学がAIと衛星データ活用の共同研究に向けMOUを締結、水道インフラと再生可能エネルギー分野での技術革新を目指す

記事の要約
- 天地人がマレーシア科学大学とMOUを締結
- AIと衛星データを活用した水道インフラ評価を共同研究
- 再生可能エネルギーサイトの選定も研究対象に
天地人とマレーシア科学大学のAI・衛星データ活用共同研究
株式会社天地人は2025年2月25日、マレーシアの国立科学大学であるマレーシア科学大学とAI技術および衛星データを活用したインフラ評価と再生可能エネルギーサイトの選定に関する共同研究を目的としたMOUを締結した。このMOUは双方の協力に関する具体的な協定が締結されるまでの基本的な合意事項を確認するための枠組みとして機能する。
天地人はリバネス運営の日アセアン経済産業協力委員会委託事業に選抜され、マレーシアを中心とした海外展開を推進している。本MOUでは水道管の漏水リスク評価や再生可能エネルギーの適地選定に関する研究の実施、さらにマレーシアにおける「天地人コンパス 宇宙水道局」および「TenchijinCompass Renewable Energy」アプリケーションに関するホワイトペーパーの作成が予定されている。
マレーシア科学大学は、マレーシア初の「Accelerated Programme for Excellence」指定大学として持続可能性と研究革新の分野で高い評価を受けている。健康科学や再生可能エネルギー、デジタル変革などの分野で卓越した実績を持ち、持続可能な開発目標への貢献において国際的な認知度を確立している。
天地人とマレーシア科学大学の共同研究概要
項目 | 詳細 |
---|---|
締結日 | 2025年2月25日 |
研究目的 | AI技術・衛星データを活用した漏水リスク評価と再生可能エネルギー適地選定 |
研究内容 | 水道管漏水リスク評価、再生可能エネルギー適地選定、ホワイトペーパー作成 |
実施機関 | 株式会社天地人、マレーシア科学大学(USM) |
協力範囲 | 研究、教育、研修プログラムの共同開発・支援 |
漏水リスク評価について
漏水リスク評価とは、水道インフラの損傷や劣化による水漏れの可能性を分析・予測する技術のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- 衛星データとAI技術を組み合わせた高精度な分析
- 100m四方単位での詳細な漏水リスク評価
- 5段階評価による直感的なリスク管理システム
天地人の「宇宙水道局」システムでは、複数の人工衛星から取得するデータとオープンデータを活用し、効率的な漏水調査を支援している。2022年度の実証実験では点検費用を最大65%削減、調査期間を最大85%短縮できる結果が得られており、20を超える自治体での採用実績がある。
天地人とマレーシア科学大学の共同研究に関する考察
マレーシア科学大学とのMOU締結は、天地人の技術力が国際的に認められた証左として重要な意味を持つ。特にマレーシアを含む東南アジア地域では水道インフラの維持管理が課題となっており、衛星データとAI技術を活用した漏水検知システムの導入は、効率的な水資源管理に大きく貢献する可能性がある。
今後の課題として、各国の法規制や技術基準への対応、現地インフラ事業者との連携体制の構築が挙げられるだろう。これらの課題に対しては、マレーシア科学大学との共同研究を通じて得られる知見を活用し、現地に適応したシステムの開発や人材育成プログラムの確立が有効な解決策となる。
再生可能エネルギー分野への展開も期待される。衛星データとAI技術を組み合わせた適地選定は、持続可能なエネルギー開発を加速させる可能性を秘めており、今後のアジア地域におけるエネルギー転換の推進力となるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「AIと衛星データ研究で「マレーシア科学大学」とMOUを締結 | 株式会社天地人のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000168.000045963.html, (参照 2025-03-05).