河合塾が大学入試での生成AI活用セミナーを開催、志望理由書の評価手法について九工大准教授が講演

記事の要約
- 河合塾が大学教職員向けに生成AI活用に関するセミナーを開催
- 生成AIで作成された志望理由書の評価について九工大の木村准教授が講演
- 総合型・学校推薦型選抜での生成AI活用の影響を解説予定
河合塾が生成AI活用セミナーを3月開催、大学入試での評価手法を解説
学校法人河合塾は2025年3月19日、大学教職員を対象とした「入試での多面的評価支援ミニセミナー」をオンラインで開催することを発表した。生成AIが大学入試に与える影響について研究する九州工業大学高大接続センターアドミッションオフィス准教授の木村智志氏が講演を行うことになっている。
総合型・学校推薦型選抜では入学者の過半数が利用する志望理由書などの出願書類が重視されており、生成AIの活用が指摘されている状況にある。木村准教授は2023年9月の大学入試学会で生成AIを活用した出願書類に関する研究成果を発表し、大会発表賞を受賞した経歴を持つ。
本セミナーでは生成AIで作成された志望理由書の評価方法について、大学入試学会での発表内容や最新の知見を交えながら解説が行われる予定だ。河合塾の教育研究開発部が主催し、Zoomウェビナー形式で開催される本セミナーは参加費無料となっている。
生成AIを活用した入試対策セミナーの概要
項目 | 詳細 |
---|---|
開催日時 | 2025年3月19日 13:00-14:00 |
開催形式 | Zoomウェビナー |
対象者 | 大学教職員(主に入試業務担当者)、教育関係者 |
講演者 | 木村智志氏(九州工業大学 准教授) |
参加費 | 無料 |
申込期限 | 2025年3月17日 |
総合型・学校推薦型選抜について
総合型・学校推薦型選抜とは、従来の学力試験だけでなく、志望理由書や面接などを通じて受験生の多面的な評価を行う入試制度のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 出願書類による志望動機や学習意欲の評価重視
- 従来の学力試験以外の評価基準を採用
- 年内に合否が決定する入試方式
大学入試では過半数の入学者がこの制度を利用しており、志望理由書などの出願書類が合否判定に大きな影響を与えている。生成AIの普及により、出願書類作成時のAI活用が指摘されており、評価方法の見直しが課題となっている。
生成AI活用の志望理由書評価に関する考察
生成AIを用いた志望理由書の評価において、AIへの依存度が高い文章は低評価となる傾向が示されているが、適切な指導のもとでの活用では評価が向上する可能性が指摘されている。生成AIの特徴を理解した上での評価基準の確立が、今後の入試における重要な課題となるだろう。
受験生の公平性を担保しつつ、個々の能力や意欲を適切に評価できる仕組みづくりが求められている。生成AIの活用を前提とした新たな評価指標の開発や、AI検知システムの導入なども検討課題として挙げられるだろう。
大学入試における生成AI活用は今後も拡大することが予想されており、入試制度全体の見直しにつながる可能性がある。教育現場での適切なAI活用ガイドラインの策定や、生成AI時代に即した新たな評価手法の確立が期待される。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「生成AIで作成された大学の志望理由書はどう評価されるか ~生成AIが入試の書類審査に与える影響~ | 学校法人 河合塾のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000141.000030937.html, (参照 2025-03-05).