岡山大学がブラジルの大学との教育研究交流を強化、30年以上の実績を基に留学生受け入れ拡大へ

記事の要約
- 岡山大学の那須保友学長がサンパウロ大学歯学部を訪問
- 30年以上の教育・研究交流を基に留学生受け入れ拡大を検討
- サンパウロ州立大学との新たな連携可能性も協議
岡山大学とブラジルの大学間交流が新段階へ
岡山大学の那須保友学長は2024年12月9日にブラジル・サンパウロ大学歯学部を訪問し、歯学部長のジュリオ・ガヴィーニ氏や学術交流局副局長のパウロ・エンリケ・ブラズ・ダ・シルヴァ氏と約1時間の対談を行った。両大学の歯学部は1988年から30年以上にわたって教育・研究面での交流を継続しており、ODAPUSプログラムによる学生の相互派遣が活発に行われている。
那須学長は対談の中で、新型コロナウイルスの影響で一時中断していた学生交流の再開について言及するとともに、今後の留学生受け入れ拡大に向けた具体的な取り組みの意向を示した。また実際に岡山大学での研修経験者や研修予定の学生たちとも意見交換を行い、研究活動に関する率直な意見を収集することができた。
さらにサンパウロ滞在中、岡山大学歯学部と交流関係にあるサンパウロ州立大学も訪問し、セザール・マルティンス次期副学長らと留学生交流について協議を実施した。両大学間の新たな連携可能性を探るとともに、両国の教育・研究のさらなる発展に向けた交流プログラムの充実を図っていく方針だ。
大学間交流プログラムの概要
サンパウロ大学 | サンパウロ州立大学 | |
---|---|---|
協定開始 | 1988年 | 交流実績あり |
主な交流内容 | ODAPUSプログラム | 留学生交流 |
今後の展開 | 留学生受け入れ拡大 | 新規連携可能性の検討 |
ODAPUSプログラムについて
ODAPUSプログラムとは、岡山大学歯学部が実施している短期留学制度のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- 学生の相互派遣による研究活動の実施
- 継続的な教育・研究交流の促進
- 国際的な学術交流の基盤形成
このプログラムを通じて、両大学の学生は互いの国で研究活動を行う機会を得ている。新型コロナウイルスの影響で一時的に中断していたものの、現在は再開され、より多くの留学生受け入れに向けた体制整備が進められている。
国際教育交流プログラムの拡充に関する考察
岡山大学とブラジルの大学間における30年以上の交流実績は、継続的な教育・研究交流の重要性を示している。特にODAPUSプログラムを通じた学生の相互派遣は、両国の歯学教育における国際的な視野の拡大に大きく貢献してきた。今後はこの実績を基盤として、より多様な交流プログラムの展開が期待される。
留学生受け入れの拡大に向けては、言語サポートや生活支援など、受け入れ体制の整備が課題となるだろう。特に日本語教育プログラムの充実や、留学生と日本人学生の交流機会の創出など、きめ細かなサポート体制の構築が必要となる。さらに、研究テーマの多様化や共同研究プロジェクトの拡充も検討すべき課題だ。
サンパウロ州立大学との新たな連携可能性の模索は、交流プログラムの多様化という観点から重要な意味を持つ。医学系分野における研究交流の拡大は、両国の医療技術の向上や新たな研究分野の開拓につながる可能性がある。将来的には、複数の大学間でのマルチラテラルな交流プログラムの構築も視野に入れるべきだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「【岡山大学】那須保友学長がブラジル・サンパウロ大学歯学部等を訪問~両国の教育・研究のさらなる発展に貢献すべく、交流プログラムの充実へ~ | 国立大学法人岡山大学のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002786.000072793.html, (参照 2025-01-11).