記事の要約
- 小牧市立小牧南小学校が第56回中部建築賞に入賞
- 児童・先生・地域のつながりを重視した学び舎を実現
- 図書機能を中心とした小牧山ステップを校舎中心に設置
小牧市立小牧南小学校の中部建築賞入賞
株式会社久米設計は2024年12月26日、同社が設計を担当した小牧市立小牧南小学校が第56回中部建築賞に入賞したことを発表した。中部建築賞は中部圏域の地域社会の発展に寄与し、持続可能な社会を目指すという時代の要請に対応した優れた建築作品に贈られる歴史ある賞である。
愛知県小牧市若草町82に位置する小牧南小学校は、延床面積11,336.10㎡の地上4階建てで、RC造一部S造の構造を採用している。小牧市の図書活用学習の歴史を踏まえ、学び合いの核として図書機能を主とした小牧山ステップを校舎の中心に配置したことで、多学年交流や児童の活発な活動を促進する空間を実現した。
株式会社久米設計は1932年の創設以来、技術とデザインの融合を追求し、数多くの都市や建築の設計を手掛けてきた実績を持つ。社員数約650名のうち約450名が資格を有する専門家であり、国内外の幅広いプロジェクトに取り組んでいる。
小牧南小学校の建築概要
項目 | 詳細 |
---|---|
建築名称 | 小牧市立小牧南小学校 |
所在地 | 愛知県小牧市若草町82 |
延床面積 | 11,336.10㎡ |
構造・階数 | RC造一部S造、地上4階 |
竣工時期 | 2023年3月 |
受賞歴 | 愛知まちなみ建築賞・キッズデザイン賞・ウッドデザイン賞 |
中部建築賞について
中部建築賞とは、中部圏域における建築分野の優れた功績を表彰する制度のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- 地域社会の発展に寄与する建築作品を評価
- 持続可能な社会を目指す時代の要請に対応
- 地域と環境に根ざした優れた作品を選定
小牧南小学校は図書機能を中心とした学び合いの空間設計により、地域社会への貢献と持続可能性を実現している。3層多方向に向く吹抜の空間構成により、児童の交流を視覚的、動線的にも活発化させ、多様な学びの場を創出することに成功した。
小牧南小学校の建築設計に関する考察
小牧南小学校の建築設計において特筆すべきは、図書機能を核とした空間構成により、児童・教師・地域住民の自然な交流を促進している点である。ステップ状のテラスを活用した開放的な設計により、内部と外部の活動が有機的につながり、地域に開かれた学校としての機能を高めている。
今後の課題として、多様化する教育ニーズへの対応が挙げられる。デジタル教育の進展に伴い、従来の図書機能と新しい学習形態との融合が求められるだろう。空間の柔軟な活用方法を継続的に検討し、変化する教育環境に適応していく必要がある。
地域コミュニティの核としての役割も期待される。学校施設を地域の生涯学習の場として活用することで、より深い地域連携が実現できるだろう。多世代交流の促進と地域の教育力向上に向けた取り組みを積極的に展開することが望まれる。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「「つながり」を大切に設計した小学校。第56回中部建築賞に入賞しました【小牧市立小牧南小学校】 | 株式会社久米設計のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000123454.html, (参照 2025-01-08).