記事の要約
- 横浜薬科大学が長野県病院薬剤師会と連携協定を締結
- 長野県内の病院薬剤師不足の改善を目指す取り組み
- 薬剤師養成教育を通じてUターン・Iターン就職を促進
横浜薬科大学の薬剤師育成に向けた新たな取り組み
横浜薬科大学は2024年12月12日に長野県病院薬剤師会との間で連携協定を締結した。厚労省の調査によって全国の都道府県における医療需要に対する病院薬剤師数の不足が明らかになっており、長野県においても2036年の将来時点での改善が見込めない状況が続いているのだ。
連携協定の目的は薬剤師養成教育を通じたUターン・Iターン就職の促進にある。長野県には薬学部が存在しない状況で横浜薬科大学に多くの長野県出身者が入学している現状を踏まえ、連携教育体制の構築によって長野県内の病院薬剤師不足の改善につながる可能性が高いだろう。
この取り組みは横浜薬科大学からの提案により実現し、内藤隆文会長の快諾を受けて締結に至った。病院薬剤師の地域偏在という全国的な課題に対して、大学と地域の医療機関が連携して解決を目指す先進的な取り組みとなっている。
横浜薬科大学と長野県病院薬剤師会の連携協定の概要
項目 | 詳細 |
---|---|
締結日 | 2024年12月12日 |
締結団体 | 横浜薬科大学、長野県病院薬剤師会 |
背景 | 長野県内の病院薬剤師不足、2036年時点でも改善見込みなし |
目的 | 薬剤師養成教育を通じたUターン・Iターン就職の促進 |
特徴 | 長野県内唯一の薬剤師養成連携体制の構築 |
UターンとIターンについて
UターンとIターンは地方への人材還流を表す用語で、就職や転職の際の移住パターンを示している。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- Uターンは出身地への帰還型の就職・転職を指す
- Iターンは出身地以外の地方への就職・転職を指す
- 地方創生や地域医療の担い手確保に重要な役割を果たす
横浜薬科大学と長野県病院薬剤師会の連携協定では、Uターン就職による地元出身者の還流とIターン就職による新たな人材の獲得を目指している。両者による連携教育体制の構築は、長野県の医療体制の強化につながる重要な取り組みとなるだろう。
薬剤師養成連携協定に関する考察
横浜薬科大学と長野県病院薬剤師会の連携協定は、地域医療における人材確保の新たなモデルケースとなる可能性を秘めている。特に薬学部が存在しない地域において、既存の教育機関との連携を通じた人材育成の仕組みを構築する先駆的な取り組みとして注目に値するだろう。
一方で連携教育体制の具体的な運用方法や、学生の地域医療への関心を高めるための施策については、今後の検討課題として残されている。実務実習やインターンシップなど、学生が長野県の医療現場を体験できる機会を積極的に設けることで、より効果的な人材育成が可能になるはずだ。
将来的には他の地域でも同様の連携モデルが展開される可能性がある。医療人材の地域偏在という課題に対して、教育機関と医療機関の垣根を越えた協力体制の構築が求められており、本協定の成果が注目されるところである。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「【横浜薬科大学】長野県病院薬剤師会との連携協定を締結 | 都築学園グループのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000237.000020664.html, (参照 2025-01-08).