記事の要約
- 岡山大学が文部科学省のソーシャルインパクト創出支援事業に採択
- 3つのエンゲージメント戦略により多文化共修環境を実現
- Well-being実践人の育成と地域社会への貢献を目指す
岡山大学のソーシャルインパクト創出支援事業採択
国立大学法人岡山大学は2025年1月1日、文部科学省令和6年度大学教育再生戦略推進費「大学の国際化によるソーシャルインパクト創出支援事業」への採択を発表した。岡山大学は統合エンゲージメント戦略による「地域と地球の未来を共創するWell-being実践人」の育成プログラムを通じ、日本人学生と外国人留学生がともに学ぶ多文化共修環境の創出を目指すことになる。
キャンパス、グローバル、ローカルの3つのエンゲージメントを戦略的に推進することで、文化的多様性を活かした学修環境の構築が実現される。この取り組みは持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた教育(ESD)を基盤とし、国内外で幅広く活躍できる人材の育成を強化することになるだろう。
スーパーグローバル大学創成支援事業(SGU事業)で培った10年間の実績をベースに、共修環境のさらなる充実を図る計画だ。外国人留学生の就職支援や地域への定着を推進することで、地域及び国際社会に貢献する大学としての基盤確立が期待されている。
エンゲージメント戦略の詳細
キャンパス | グローバル | ローカル | |
---|---|---|---|
主な目的 | 多文化共修環境の創成 | 国際共修の促進 | 地域社会への貢献 |
具体的施策 | SDGsを共通言語とした科目設定 | 海外協定校との連携強化 | 企業・自治体との連携推進 |
期待効果 | 日常的な文化交流の実現 | 優秀な学生の獲得 | 地域定着の促進 |
統合エンゲージメント戦略について
統合エンゲージメント戦略とは、キャンパス、グローバル、ローカルの3つの領域を有機的に結びつけた教育戦略のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- SDGsを共通言語とした多文化共修の実現
- 国際機関との連携による教育コンテンツの開発
- 地域社会との連携による実践的な学びの提供
岡山大学の統合エンゲージメント戦略は、単なる国際化だけでなく地域貢献も重視している点が特徴的だ。SGU事業で培った国際化の経験を活かしつつ、地域社会との連携を強化することで、より実践的な人材育成を目指している。
ソーシャルインパクト創出支援事業に関する考察
岡山大学が採択された本事業は、大学の国際化と地域貢献を同時に推進できる点で画期的な取り組みといえるだろう。特にSDGsを共通言語として活用する点は、文化的背景の異なる学生たちが共通の目標に向かって協働するための効果的なアプローチとなる可能性が高いだろう。
一方で、日本人学生と留学生の交流を深める上では、言語や文化の壁をどのように乗り越えていくかが課題となる。SDGsという共通言語があっても、実際のコミュニケーションや相互理解には時間と努力が必要になるはずだ。
また、外国人留学生の地域定着を促進するためには、地域企業との連携強化が不可欠となるだろう。留学生の就職支援や企業とのマッチング機能を充実させることで、真の意味での地域貢献が実現できる可能性が高い。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「【岡山大学】岡山大学が文部科学省「大学の国際化によるソーシャルインパクト創出支援事業」に採択 | 国立大学法人岡山大学のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002812.000072793.html, (参照 2025-01-08).