記事の要約
- 岡山大学で第41回RIDCマンスリー研究セミナーを開催
- エチオピア人出稼ぎ女性の経験に関する研究発表を実施
- オンラインで誰でも参加可能な研究セミナーを提供
岡山大学文明動態学研究所のRIDCマンスリー研究セミナー開催
国立大学法人岡山大学高等先鋭研究院文明動態学研究所は、2025年1月15日に第41回RIDCマンスリー研究セミナーをオンラインで開催することを2025年1月4日に発表した。本セミナーでは岡山大学学術研究院社会文化科学学域の松村圭一郎准教授が登壇し、エチオピア人出稼ぎ女性の移動に関する研究成果を報告する予定だ。
文明動態学研究所は2021年に開設された岡山大学4つ目の研究所であり、人文社会科学系では初めての研究施設として重要な役割を果たしている。RIDCマンスリー研究セミナーは研究所に関わる教員の研究成果や進行中のプロジェクトの進捗状況を報告し合う場として機能しており、一般公開とセミクローズドの両形式で実施されている。
今回のセミナーでは1998年から継続的に行われているエチオピア西南部のコーヒー栽培地帯における現地調査の成果が発表される予定である。特に2008年以降、中東湾岸諸国への出稼ぎや欧州への移住といった女性たちの移動に焦点を当てた調査結果が共有されることになっている。
セミナーの詳細情報
項目 | 詳細 |
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開催日時 | 2025年1月15日(水)12:00~13:00 |
開催形式 | オンライン(Zoom使用) |
講演者 | 松村圭一郎准教授(岡山大学学術研究院社会文化科学学域) |
参加費 | 無料 |
申込期限 | 2025年1月14日(火)12:00まで |
主催 | 岡山大学文明動態学研究所 |
人類学的移動研究について
人類学的移動研究とは、人々の移動現象を文化的・社会的な文脈から包括的に理解しようとする研究アプローチのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 現地調査に基づく詳細なデータ収集と分析
- 移動者の視点から社会変化を捉える手法
- 文化的背景と移動の関係性の解明
エチオピアの事例研究では、農村部の女性たちの移動パターンが2008年以降大きく変化していることが明らかになっている。中東湾岸諸国への家政婦としての出稼ぎや、欧州への移住といった新たな移動形態が確認されており、グローバル化が地域社会に与える影響を考察する上で重要な研究成果となっている。
RIDCマンスリー研究セミナーに関する考察
岡山大学文明動態学研究所が定期的に開催するRIDCマンスリー研究セミナーは、研究成果の共有と議論の場として重要な役割を果たしている。特にオンライン形式の採用により、地理的制約を超えて多くの参加者が研究発表に参加できる環境が整備されており、研究成果の社会還元という観点で大きな意義を持つだろう。
長期的なフィールドワークに基づく研究発表は、グローバル化が進む現代社会における人々の移動と生活の変容を理解する上で貴重な知見を提供する可能性がある。特に女性の労働移動に焦点を当てた研究は、ジェンダーの視点からも重要な示唆を含んでおり、今後の研究の発展が期待できるだろう。
研究所の活動をより広く社会に発信していくためには、セミナーの録画配信や研究成果のデジタルアーカイブ化など、情報アクセスの多様化が求められる。文明動態学という新しい研究領域の確立に向けて、継続的な研究活動と成果発信の基盤強化が望まれる。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「【岡山大学】高等先鋭研究院 文明動態学研究所 第41回RIDCマンスリー研究セミナー「<移動>の人類学-エチオピア人出稼ぎ女性の経験から-」〔1/15水 オンライン開催〕 | 国立大学法人岡山大学のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002826.000072793.html, (参照 2025-01-08).