記事の要約
- NTSセーフティ家計総合研究所が高校生向け講座を実施
- 18歳成人に関連するトラブル事例と対策を解説
- 奨学金や家計の基本知識について講演
高校生向け家計教養講座の実施内容と特徴
一般社団法人NTSセーフティ家計総合研究所は2024年12月17日に、東京都立農業高等学校の高校3年生を対象とした90分の家計教養講座を開催した。講座はカウンセリングセンター長の有田宏美氏が担当し、18歳からの成人に関する契約トラブルの予防と対策について解説を行っている。
第1部では18歳から可能になる契約と20歳にならないとできない契約についてクイズ形式で学び、マルチ商法や闇バイト、脱毛エステなど若者が陥りやすいトラブルの具体的な事例と対処方法を紹介した。第2部では進学に必要な費用や奨学金の重要性について理解を深め、家計の基本式を用いた実践的な内容を展開している。
講座全体を通してサブスクリプションサービスやキャッシュレス決済の適切な扱い方を解説し、金銭的な資産だけでなく信頼関係を築くことの重要性にも言及した。このように若者の自立を支援する総合的な金融教育プログラムを構築している。
家計教養講座の重要ポイント
項目 | 詳細 |
---|---|
開催日時 | 2024年12月17日(火) |
講演時間 | 90分(2部構成) |
講師 | カウンセリングセンター長 有田宏美氏 |
対象者 | 東京都立農業高等学校 高校3年生 |
主なテーマ | 18歳成人と若者が陥りやすいトラブル、奨学金と家計の基本 |
取り扱い内容 | マルチ商法、闇バイト、脱毛エステ、推し活、リボ払い |
マルチ商法について
マルチ商法とは、商品やサービスの販売組織に参加者を勧誘し、さらに新規加入者を増やすことで利益を得る仕組みのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- 友人や知人を勧誘して組織を拡大する手法
- 高額な初期投資や商品の仕入れが必要
- 勧誘時に「必ず儲かる」などの誇大な説明が多い
若者が被害に遭いやすい理由として、SNSを通じた巧妙な勧誘手法や成功への期待感が挙げられる。成人年齢引き下げにより18歳から契約が可能になったため、高校生や大学生などの若年層が標的にされやすく、NTSセーフティ家計総合研究所でも注意喚起を行っている。
高校生向け家計教養講座に関する考察
18歳成人を迎えた高校生に対して、実践的な金融教育を提供することは社会的意義が極めて高いものだ。特にマルチ商法や闇バイトなど、若者が巻き込まれやすいトラブル事例を具体的に取り上げることで、リアルな危機意識を醸成することができる。講座内容に現代的な要素としてサブスクリプションやキャッシュレス決済を含めたことも適切だろう。
一方で、90分という限られた時間で多岐にわたる内容を扱うため、各トピックの掘り下げが不十分になる可能性がある。今後は講座を複数回に分けて実施したり、オンラインでのフォローアップを提供したりするなど、より深い理解を促す工夫が必要になるだろう。特に奨学金に関する知識は進路選択に直結するため、重点的な指導が望まれる。
また、実際のトラブル対処方法をロールプレイング形式で学ぶ機会を設けることで、より実践的な学びが期待できる。金銭教育と併せて「信頼の貯金」という概念を伝えることは、若者の健全な社会性育成において重要な視点となるはずだ。今後は保護者向けの講座も併設するなど、家庭での金融教育支援も検討する余地があるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「高校3年生の家計教養講座への講師派遣について | 一般社団法人NTSセーフティ家計総合研究所のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000067.000116700.html, (参照 2025-01-08).