記事の要約
- 丸紅アークログによる東北大学工学部でのBIM講義実施
- 工学部専門教育科目内で建築デジタル化推進を学習
- 学生12名がBIMソフトウェアRevitの実践的活用を体験
丸紅アークログのBIMをテーマにした東北大学工学部での講義実施
丸紅アークログ株式会社は東北大学工学部において2024年11月7日から11月26日までBIMをテーマにした講義を実施した。創造工学研修の一環として行われた講義では、工学部の学生がBIMデータの活用による設計と構成プロセスを体験し、建築分野におけるデジタル化推進の重要性を学んだのである。
建築業界では建設技能者の高齢化による人手不足や長時間労働が課題となっており、BIMの導入が設計から施工、管理に至るまで幅広いプロセスで重要性を増している。国土交通省は2023年までに小規模を除く全ての公共事業にBIM/CIMを原則適用することを発表しており、建築業界の課題解決手段として積極的な推進を行うだろう。
講義ではAutodesk社のBIMソフトウェアRevitを使用し、建築建材とBIMをつなげるプロセスを理工系分野の学生12名に体験させた。前半のセッションでBIMの基礎知識とソフトの基礎操作方法、並びにモデリング技術を学び、後半ではArch-LOGのBIMデータを利用して応用技術と実践的なアウトプットの作成方法を習得している。
BIM講義の概要
項目 | 詳細 |
---|---|
実施期間 | 2024年11月7日~11月26日 |
対象者 | 東北大学工学部の理工系分野学生12名 |
使用ソフトウェア | Autodesk社Revit |
講義内容 | BIMの基礎知識、ソフト操作、モデリング技術、応用技術 |
特徴 | Arch-LOGのBIMデータを活用した実践的な学習 |
BIMについて
BIMとは「Building Information Modeling」の略称で、建築物の3次元形状情報に加え、室等の名称・面積、材料・部材の仕様、性能、仕上げ等の属性情報を併せ持つ建物情報モデルを構築することを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 3次元の形状情報と建築物の属性情報を統合管理
- 設計から施工、管理まで幅広いプロセスで活用可能
- 建築業界のデジタル化推進に貢献する重要技術
国土交通省は2026年春から建築確認におけるBIM図面審査を開始することを発表しており、建築業界のデジタル化において重要な役割を果たすことが期待されている。BIMの活用は建設技能者の業務効率化や生産性向上に寄与し、人手不足や長時間労働などの課題解決に貢献するだろう。
BIM教育に関する考察
建築業界のデジタル化推進において、学生時代からBIMを学ぶ機会を設けることは極めて重要な取り組みである。特に東北大学工学部での講義では、理論だけでなく実践的なBIMデータの活用方法を学ぶことができ、将来の建築業界を担う人材育成に大きく貢献するだろう。
一方で、BIMの習得には一定の時間と労力が必要であり、教育現場でのカリキュラム構築が課題となっている。今後は大学教育と実務での活用をより密接に連携させ、効果的な学習プログラムの開発が求められるだろう。
また、BIM教育の普及に向けては、ソフトウェアのライセンス費用や教育機関向けの支援体制の整備が重要な課題となっている。産学連携をさらに強化し、より多くの学生がBIMを学べる環境を整備することで、建築業界全体のデジタル化が加速するはずだ。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「丸紅アークログ、東北大学工学部にてBIMをテーマに講義を実施 | 丸紅アークログ株式会社のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000140068.html, (参照 2025-01-08).