日立ハイテクが韓国ハンバット大学に電子顕微鏡共用施設を開設、産学連携による研究開発の強化へ前進

記事の要約
- 日立ハイテクが韓国ハンバット大学に電子顕微鏡共用施設を開設
- SEM・TEMなど6機の電子顕微鏡を設置し研究開発を支援
- 産学連携による共同研究と技術交流を推進
ハンバット大学における電子顕微鏡教育研究センターの開設
日立ハイテクは韓国の販売代理店であるRigong International Inc.と共に、2025年1月16日にハンバット大学内に「Korea Electron Microscope Education and Research Center for International Collaboration」を開設した。本センターは韓国政府が出資する研究機関が集まる大田地域に位置し、電池や半導体などの研究開発用途を中心として地域の共同研究機関や幅広いユーザーが活用できる教育施設として運営されることになっている。
日立ハイテクは本センターにSEMやTEMなど6機の電子顕微鏡を設置し、RIIと共に装置の維持・管理やアプリケーション面でのサポート体制を構築している。エンジニアを派遣して産学連携による共同研究も推進することで、世界最高水準の教育研究活動の実現を目指すことになった。
本センターは韓国において初めての電子顕微鏡共用施設となり、日立ハイテクグループは解析・分析のコア技術を活かした専用計測・検査ソリューションを提供することになった。これにより人々のQoL向上や環境・レジリエンス・安全安心に関する社会課題の解決に貢献していく方針である。
電子顕微鏡教育研究センターの詳細
項目 | 詳細 |
---|---|
施設名称 | Korea Electron Microscope Education and Research Center for International Collaboration |
設置場所 | ハンバット大学(韓国大田地域) |
設置機器 | SEM(走査電子顕微鏡)、TEM(透過電子顕微鏡)など計6機 |
主な用途 | 電池・半導体などの研究開発、教育施設 |
運営体制 | 日立ハイテク、RIIによる装置維持管理とアプリケーションサポート |
走査電子顕微鏡について
走査電子顕微鏡(SEM)とは、電子ビームを試料表面に照射し、発生する二次電子などを検出することで試料の表面構造を観察する装置である。以下のような特徴を持っている。
- 高倍率で試料表面の立体的な観察が可能
- 非破壊で試料の形状や組成分析が実施可能
- 産業用途から研究開発まで幅広い分野で活用
走査電子顕微鏡は半導体や材料研究において不可欠な分析装置として広く活用されており、本センターでも電池や半導体の研究開発に重要な役割を果たすことが期待される。特に産学連携による共同研究では、最新の電子顕微鏡技術を用いた高度な解析・分析が可能になるだろう。
韓国電子顕微鏡教育研究センターに関する考察
本センターの開設は韓国における電子顕微鏡の共用施設として初の試みであり、産学連携の強化という点で重要な意義を持っている。特に電池や半導体などの先端技術分野において、研究開発の効率化と技術革新の加速が期待できるだろう。ただし、多様な研究機関やユーザーが利用する施設であるため、利用スケジュールの調整や研究データの管理など、運営面での課題が出てくる可能性もある。
今後はセンターを核として、韓国国内の研究機関や企業との連携をさらに強化していくことが重要である。特に若手研究者の育成や技術交流の活性化を通じて、電子顕微鏡技術の普及と高度化を図ることができるだろう。また、研究成果の実用化や産業応用を促進するための支援体制の充実も期待したい。
装置の維持管理やアプリケーションサポートに関しては、日立ハイテクとRIIの豊富な経験とノウハウが活かされることになる。両社の密接な連携によって、ユーザーに対する充実したサポート体制を構築することが可能になるはずだ。さらに将来的には、本センターでの成果を基に、アジア地域全体への展開も視野に入れることができるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「日立ハイテクが韓国ハンバット大学と電子顕微鏡の共用施設を開設し、韓国の科学技術の発展に貢献 | 株式会社日立ハイテクのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000175.000049375.html, (参照 2025-01-16).