新潟医療福祉大学がAIによるアルツハイマー病の発話分析手法を開発、音声診断の実用化に向け前進

新潟医療福祉大学がAIによるアルツハイマー病の発話分析手法を開発、音声診断の実用化に向け前進

PR TIMES より

記事の要約

  • 新潟医療福祉大学がAIによるアルツハイマー病の発話分析方法を開発
  • 話し言葉の物理的特性から健康な高齢者との違いを解明
  • マイク発話による初期診断の可能性を見出す

AIによるアルツハイマー病の音声分析手法の開発

新潟医療福祉大学言語聴覚学科の田村俊暁講師と作業療法学科の能登真一教授は、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社技術開発推進部と共同で、2025年1月7日にアルツハイマー病患者の発話特徴を分析する新たな手法を開発した。この研究成果は国際誌『Healthcare』に掲載され、AIを活用した音声分析による診断手法の確立に向けた重要な一歩となる。

研究チームは健康な高齢者とアルツハイマー病患者の話し言葉の特性を比較することで、両者の間に重要な違いがあることを明らかにした。人工知能による音声分析によって得られた物理的特徴の違いは、将来的な診断ツールとしての活用が期待されており、早期発見への貢献が見込まれている。

本研究は科学研究費助成事業の助成(21K19741)を受けて実施され、学術的な価値が高く評価されている。研究チームは話し言葉の変化に着目したアプローチにより、簡便な診断方法の実現可能性を示すことに成功しており、医療現場での実用化に向けた取り組みが進められている。

アルツハイマー病の音声分析研究の詳細

項目 詳細
研究機関 新潟医療福祉大学、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社
研究者 田村俊暁講師(言語聴覚学科)、能登真一教授(作業療法学科)
研究助成 科学研究費助成事業(21K19741)
掲載誌 国際誌『Healthcare』
主な成果 AIによる話し言葉の物理的特性の違いを特定

新潟医療福祉大学

人工知能による音声分析について

人工知能による音声分析とは、音声データから特徴を抽出し、パターンを認識する技術のことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 音声の物理的特性を数値化して分析可能
  • 大量のデータから一貫した特徴を抽出
  • 客観的な診断基準の確立に貢献

アルツハイマー病の診断において音声分析技術は、非侵襲的で患者への負担が少ない手法として注目を集めている。マイクを使用した簡便な検査で早期発見が可能になれば、治療の開始時期を早めることができ、患者のQOL向上にも大きく貢献することが期待されている。

アルツハイマー病の音声診断技術に関する考察

AIによる音声分析技術の開発は、医療現場における診断手法の革新的な進展をもたらす可能性を秘めている。特に高齢化が進む現代社会において、簡便かつ非侵襲的な診断方法の確立は、医療リソースの効率的な活用と患者の心理的負担の軽減に大きく寄与するだろう。ただし、診断の精度向上と信頼性の確保が今後の重要な課題となる。

実用化に向けては、より多くの臨床データの収集と、多様な言語や方言への対応が必要不可欠となるだろう。音声分析技術の精度を高めるためには、異なる年齢層や地域性を考慮したデータベースの構築と、AIモデルの継続的な改良が求められる。医療機関との連携強化と研究体制の拡充が、この技術の発展における鍵を握っている。

将来的には、スマートフォンアプリなどを通じた在宅でのスクリーニング検査への応用も期待される。定期的なモニタリングによって早期の異変検知が可能になれば、予防医療の新たな選択肢として普及する可能性を秘めている。医療のデジタル化が進む中、この研究成果が認知症ケアの未来を切り開く礎となることが望まれる。

参考サイト/関連サイト

  1. PR TIMES.「【新潟医療福祉大学】話し言葉の特性でアルツハイマー病の患者と健康な高齢者の違いが判明! | 株式会社NSGホールディングスのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001596.000032951.html, (参照 2025-01-10).