記事の要約
- 高校生の自己効力感調査で勉強・成績の影響が最も強い結果に
- 自信に影響する人物1位は高校の友達、次いで中学の友達、保護者
- 保護者からの直接的な頑張りの承認が自信につながる
リクルートによる高校生の自己効力感調査結果
株式会社リクルートは2025年1月8日、進路情報メディア『スタディサプリ進路』において高校生の自己効力感に関するアンケート調査結果を発表した。全国の高校生694人を対象とした調査では、自信を持つことに強く影響する要因として「勉強を頑張っている・良い成績が取れた」が1位となっている。学習への取り組みと結果が自己効力感の形成に大きく寄与することが明らかになった。
自信に影響を与える人物については、「高校の友達」が1位、「中学までの友達」が2位、「保護者」が3位という結果が示された。同世代の友人関係に加えて、身近な大人である保護者からの影響も大きいことが判明している。保護者からの言葉で自信がついた具体例として「頑張ったね・頑張ってるね」という直球の褒め言葉が最も効果的だと分析されている。
受験や進学に対する自信の度合いを調査したところ、中央値は60%という結果となった。また「何かに挑戦する時、今の自分に『自分ならできる!』という自信がある?」という質問に対して73%が「YES」と回答し、「良い人生に自信は関係あるか?」という問いに対しても78%が「YES」と答えており、高校生の自己効力感は比較的高い水準にあることが確認された。
自己効力感調査の結果まとめ
自信への影響 | 重要な他者 | 自己効力感の状況 | |
---|---|---|---|
1位 | 勉強の頑張り・成績 | 高校の友達 | 挑戦への自信(73%) |
2位 | 周囲からの褒め言葉 | 中学までの友達 | 人生への重要性(78%) |
3位 | 努力と結果 | 保護者 | 進学への自信(60%) |
自己効力感について
自己効力感とは、ある行動や課題を成功裏に遂行できるという個人の確信や信念のことを指している。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 目標達成への意欲と行動に大きな影響を与える心理的要因
- 過去の成功体験や他者からの言語的説得により強化される
- 学業成績や進路選択に重要な役割を果たす
今回の調査では、高校生の自己効力感形成において学習への取り組みと成果が重要な要因となっていることが明らかになった。特に友人や保護者からの承認が自己効力感を高める効果的なフィードバックとなっており、対人関係の質が自己効力感の向上に寄与している可能性が高い。
高校生の自己効力感調査に関する考察
高校生の自己効力感形成において、学習成果と周囲からの承認が重要な役割を果たしていることは、教育現場での効果的なフィードバック方法を考える上で貴重な示唆となっている。特に保護者からの直接的な褒め言葉が効果的であることが判明したことは、家庭教育における具体的なコミュニケーション方法の指針となるだろう。
今後の課題として、自己効力感の個人差や環境要因による影響についてより詳細な分析が必要となってくる。特に学校種別や地域特性による差異、さらにはオンライン学習環境下での自己効力感の形成過程について調査を進めることで、より効果的な教育支援の方法が見出せるだろう。
将来的には、AIや教育テクノロジーを活用した自己効力感の測定・向上プログラムの開発も期待される。生徒一人一人の特性に応じた最適な褒め方や励まし方をAIが提案し、教員や保護者をサポートするシステムの実現も視野に入れていく必要がある。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「現役高校生「自己効力感に関するアンケート」“自信を持つのに強く影響すること”1位は「勉強を頑張っている・良い成績が取れた」 | 株式会社リクルートのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002885.000011414.html, (参照 2025-01-10).