2026卒の内々定率が54.3%に到達、採用選考の早期化が加速し文理ともに高水準を維持

記事の要約
- 2026年卒業予定者の内々定率が54.3%に到達し過去最高を記録
- 文系が52.5%、理系が58.1%と文理ともに高水準を維持
- 就職活動率は83.8%と高い水準で推移
2026卒の内々定獲得状況と就職活動の動向
株式会社学情は2025年3月1日に、Re就活キャンパスを通じて2026年3月卒業予定の大学生・大学院生を対象とした内々定獲得状況に関する調査結果を発表した。2024年2月下旬時点での内々定獲得率は54.3%となり、前々月と前月の調査に続いて同時期における過去最高の数値を記録している。
文理別の内々定獲得状況を見ると、文系学生が前月比7.3ポイント増の52.5%、理系学生が前月比3.7ポイント増の58.1%と高い水準で推移している。特に理系学生の内々定率は早くも6割に迫る結果となり、採用活動が活発化していることが明確になった。
就職活動の状況については、内々定を獲得し就活を終了した学生は11.7%で前月と同水準となっている。一方で就職活動を実施している学生の割合は83.8%と前月比0.9ポイント増となり、依然として高い水準を維持している状況が明らかになった。
2026卒内々定状況調査の概要
項目 | 詳細 |
---|---|
調査期間 | 2025年2月15日~2025年2月24日 |
調査機関 | 株式会社学情 |
調査対象 | 2026年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生 |
有効回答数 | 296件 |
調査方法 | インターネットでのアンケート調査 |
内々定率について
内々定率とは、企業から正式な内定通知が出される前の内々定を獲得している学生の割合を示す指標である。主な特徴として以下のような点が挙げられる。
- 採用選考活動の早期化を示す重要な指標
- 企業の採用意欲や学生の就職活動状況を反映
- 文理別や時期による傾向分析が可能
内々定率の変化は就職市場の動向を把握する上で重要な指標となっている。今回の調査では54.3%という高水準の内々定率が示されており、2025年卒と比較して1カ月以上早いペースでの内々定出しが進んでいることが明らかになった。
2026卒内々定状況に関する考察
2026年卒の内々定率が前年を大きく上回るペースで推移していることは、企業の採用意欲が依然として高水準にあることを示している。特に理系学生の内々定率が58.1%と早期に高水準となっていることは、デジタル人材やエンジニアの需要が継続していることを反映している。
一方で早期化する採用活動には課題も存在している。学生の就職活動と学業の両立が困難になる可能性があり、十分な企業研究や職業選択の時間が確保できないリスクも考えられる。採用広報解禁前の内々定獲得が増加することで、学生間での情報格差が拡大する懸念もある。
今後は学生の適切な職業選択と企業の人材確保のバランスを保つための取り組みが重要となるだろう。インターンシップや企業説明会のオンライン活用、柔軟な選考スケジュールの設定など、多様な採用手法の検討が必要となる。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「2026卒学生の内々定率は2月下旬時点で<54.3%>。2人に1人が採用広報解禁前に内々定を獲得。前年より1カ月以上早いペースで推移 | 株式会社学情のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001380.000013485.html, (参照 2025-03-04).