記事の要約
- アールティとバイナスが工業教育向けROS 2・生成AI教材を開発
- COBOTTAを活用したPythonプログラミング学習を提供
- 2025年4月以降にバイナスから発売予定
工業教育向けROS 2・生成AIロボット教材の開発提携を発表
株式会社アールティと株式会社バイナスは、工業高校等への教育を目的としたROS 2・生成AIロボット教材の開発で提携することを2025年1月9日に発表した。デンソーウェーブ社のCOBOTTAを活用し、世界的にデファクトスタンダードになりつつあるROS 2を中心にPythonプログラミング言語と生成AI等の最新技術を取り入れた教材開発を進めている。
開発される教材は工業高校の単元「生産技術」をターゲットとしており、3年間の授業で利活用可能な内容となっている。AI・ロボット教育は必修化されたプログラミング教育と同様に教員間で教え方や教材の模索が続いているため、最新の技術動向を取り入れた実践的な教材の提供を目指している。
アールティは大学や研究所向けのAI・ロボット開発のプラットフォームを提供してきた実績を持ち、バイナスは40年以上にわたり工業高校や大学向けのFA教材開発に取り組んできた経験がある。両社の強みを活かし、2025年4月以降にバイナスより教材の発売を予定している。
ROS 2・生成AIロボット教材の概要
項目 | 詳細 |
---|---|
対象施設 | 工業高校、工業高等専門学校、ポリテクカレッジ、ポリテクセンター |
主な学習内容 | ロボット技術、AI技術、プログラミング基礎、ROS 2、ロボットシステム実習 |
使用ロボット | デンソーウェーブ社のCOBOTTA |
開発企業 | 株式会社アールティ、株式会社バイナス |
発売時期 | 2025年4月以降 |
ROSについて
ROSとは、ロボット向けのミドルウェアであり、ソフトウェア開発のためのオープンソースプラットフォームのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- 世界中の開発者が利用可能なオープンソース形式
- 各種AIとの連携が容易な設計思想
- 次世代ロボット技術として世界的に注目されている
ROSは全世界で開発者数が爆発的に増加しており、特にAI技術との親和性が高い特徴を持っている。日本においても少子高齢化が進む中、海外からのエンジニア採用も視野に入れた人材育成プラットフォームとしてROS人材の需要が高まっているのだ。
工業教育向けROS 2・生成AIロボット教材に関する考察
工業高校での生産技術教育にROS 2と生成AIを組み込むアプローチは、実践的なスキル習得という観点で高く評価できる。特にCOBOTTAという実際の産業現場で使用される協働ロボットを教材として採用することで、理論と実践を効果的に結びつけることが可能になるだろう。
ただし、AIやロボット技術は急速な進化を続けており、教材の内容を最新に保ち続けることが課題となる可能性がある。教員向けの継続的なトレーニングプログラムの提供や、オンラインでのアップデート機能を備えることで、教材の陳腐化を防ぐ必要があるだろう。
今後は単なる技術習得だけでなく、AI倫理やロボット安全規格といった社会的側面も含めた総合的な教育コンテンツの開発が望まれる。産業界のニーズと教育現場の実態を踏まえた教材のアップデートを継続的に行うことで、より実践的な工業教育の実現が期待できるだろう。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「アールティ、バイナスと工業教育向けROS 2・生成AIロボット教材の開発で提携 | 株式会社アールティのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000062.000069918.html, (参照 2025-01-10).