記事の要約
- クロスキャットが「はたらくコンソーシアム」に参加
- 東京大学大学院の稲水伸行准教授らと新しい働き方を創造
- 社員エンゲージメント向上施策を推進
クロスキャットの東京大学大学院と連携した働き方改革
クロスキャットは2025年1月9日、東京大学大学院稲水伸行准教授らによる新しい働き方の創造活動「はたらくコンソーシアム」への参加を発表した。i-deals、ideation、identificationの3点を軸としたサーベイを基に情報共有や意見交換を行い、働き方における様々な課題解決に取り組んでいる。
ITエンジニアが社員の大半を占めるクロスキャットでは、セキュリティ上の理由により社外での業務が多く、社員エンゲージメント向上施策が立てづらい状況に直面していた。同社は今年度より様々な人事制度改革に着手し、社員一人一人が活躍し続けられる環境構築を進めている。
「はたらくコンソーシアム」は、働き方と組織のあり方に革新をもたらすことを目的とした取り組みだ。年3~4回の研究会や参加企業による事例発表会を通じて、企業と働く人々が互いに学び合い支え合う場を提供している。
クロスキャットの人事制度改革まとめ
項目 | 詳細 |
---|---|
ジョブ型人事制度 | 職務等級制度の一部導入、職務に見合った報酬を提供 |
昇格要件 | 資格取得要件撤廃、優秀な若手社員の早期登用が可能 |
教育研修 | 個別カスタマイズ可能な研修制度、自律的なキャリア開発を支援 |
勤務間インターバル | 前日退勤から次の始業まで10時間以上のインターバルを設定 |
育児時短勤務 | 小学校3年生修了時まで時短勤務などの制度を適用 |
オフィスカジュアル | 柔軟な発想を促進する自由な服装を導入 |
i-dealsについて
i-deals(個別配慮)とは、組織と個人の間で交わされる個別的な取り決めのことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- 個人のニーズや状況に応じた柔軟な働き方の実現
- 組織と個人の双方にメリットがある合意形成
- キャリア開発と組織貢献の両立を支援
働き方改革の文脈において、i-dealsは社員一人一人の多様性を尊重しながら組織の生産性を向上させる重要な概念として注目されている。クロスキャットの事例では、i-dealsの考え方を活用し、ITエンジニアの特性に配慮した柔軟な制度設計を実現している。
クロスキャットの働き方改革に関する考察
クロスキャットの「はたらくコンソーシアム」参加は、アカデミアと企業の連携による新しい働き方の創造という点で画期的な取り組みである。特にITエンジニアが大半を占める企業特性を考慮した上で、社員エンゲージメント向上に取り組む姿勢は、同業他社にとっても参考になるアプローチだ。
一方で、セキュリティ要件と柔軟な働き方の両立には、技術的・制度的な課題が存在する可能性が高い。社外での業務が多い環境下でのコミュニケーション強化や帰属意識の醸成には、デジタルツールの活用とオフラインでの交流機会の最適なバランスを見出す必要があるだろう。
今後は、ジョブ型人事制度の導入効果や教育研修の実効性について、定量的な評価指標の設定が求められる。同時に、他業種の参加企業との情報交換を通じて得られた知見を、ITエンジニア特有の課題解決にどう活かしていくかが重要な検討課題となるはずだ。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「クロスキャット、東京大学大学院 稲水伸行准教授などによる新しい働き方の創造活動「はたらくコンソーシアム」に参加 | 株式会社クロスキャットのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000186.000025288.html, (参照 2025-01-10).