不登校児童の進路情報取得に関する実態調査、十分な情報入手はわずか1.6%にとどまり支援体制の整備が課題に

不登校児童の進路情報取得に関する実態調査、十分な情報入手はわずか1.6%にとどまり支援体制の整備が課題に

PR TIMES より

記事の要約

  • 不登校の小中学生が11年連続で増加し過去最高を記録
  • 進路情報が十分と感じる保護者はわずか1.6%
  • 子どもの性質に合った情報取得に73.4%が課題を感じている

不登校児童の進路選択における実態調査結果

株式会社WOODYは2024年12月16日から22日にかけて、不登校の小学4〜6年生の子どもを持つ保護者64名を対象にアンケート調査を実施した。調査結果から、不登校児童の進路情報を十分に入手できていると感じている保護者はわずか1.6%にとどまり、情報不足が深刻な課題となっていることが明らかになった。

現在の不登校・行き渋りの状況については、完全不登校が45.3%と最も多く、月に数回程度の登校が26.6%、週に2〜3日の登校が17.2%となっている。児童の進路に関しては67.2%の保護者が既に決定または概ね決定しており、その中で公立中学校を選択肢とする割合が71.1%と最も高い数値を示した。

進路情報の取得に関する課題として、子どもの性質に合ったピンポイントな情報が得られないという回答が73.4%を占め最多となった。続いて体験談や経験談などのリアルな声が得られないという回答が56.3%、住んでいる地域の情報が得られないという回答が48.4%と続き、具体的な情報不足が浮き彫りとなっている。

不登校児童の進路選択に関する調査結果まとめ

項目 詳細
調査期間 2024年12月16日〜12月22日
対象者数 不登校の小学4〜6年生の子どもを持つ保護者64名
不登校状況 完全不登校45.3%、月数回登校26.6%、週2-3日登校17.2%
進路決定状況 決定32.8%、大体決定34.4%、ほとんど未決定20.3%、未決定12.5%
進路選択先 公立中学校71.1%、私立中学校8.9%、支援級4.4%、フリースクール2.2%
情報取得の課題 子どもの性質に合った情報不足73.4%、リアルな声不足56.3%、地域情報不足48.4%

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不登校について

不登校とは、年間30日以上欠席する児童生徒の状態を指す言葉であり、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

  • 心理的・情緒的な要因による登校困難
  • 社会的な孤立や学習の遅れのリスク
  • 進路選択における情報格差の問題

文部科学省の令和5年度の調査によると、不登校の小中学生は346,482人に達し、11年連続で増加を続けている。内訳を見ると小学生が130,370人、中学生が216,112人となっており、進路選択における適切な支援と情報提供の重要性が高まっている。

不登校児童の進路選択支援に関する考察

不登校児童の進路情報不足は、子どもと保護者双方にとって深刻な課題となっており、特にリアルな体験談や地域に密着した具体的な情報へのニーズが高まっている。一方で、現状では情報を十分に得られていると感じる保護者が1.6%にとどまることから、より包括的な情報提供システムの構築が急務となっているだろう。

進路選択において公立中学校を選ぶ割合が71.1%と高いものの、フリースクールや支援級など多様な選択肢への関心も見られることから、個々の児童の特性や状況に応じた柔軟な進路支援の仕組みが必要である。教育委員会や学校、支援機関が連携し、よりきめ細かな情報提供と相談体制を整備することが望まれるだろう。

今後は、オンラインプラットフォームを活用した情報共有や、経験者との交流機会の創出など、新たな支援の形を模索する必要がある。特に地域格差の解消や、個別性の高い支援ニーズへの対応が重要であり、公的機関と民間支援団体の協力による包括的なサポート体制の確立が期待される。

参考サイト/関連サイト

  1. PR TIMES.「不登校の進路情報「十分に入手できている」が僅か「1.6%」。不登校の小学生の進路、どう決めてる?不登校×進路アンケート結果を公開 | 株式会社WOODYのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000012061.html, (参照 2025-01-10).