記事の要約
- 船で親子で楽しむ冬の太刀魚を通じた環境学習イベントを開催
- 東京湾を船で回遊し伝統料理を調理する体験を提供
- 海の環境変化に対する理解と適応を促進
冬の太刀魚を通じた環境学習イベントの開催
一般社団法人海のごちそう推進機構と株式会社アノニギワヰは、知られざる低利用魚である冬の太刀魚をさばいて食文化と海洋環境を学ぶ親子向けイベント「日本さばける塾 in いちかわ」を2025年2月9日に千葉県市川漁港・市川公民館にて開催する予定だ。参加者募集は2025年1月14日より開始され、海を介して人と人とがつながる日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として実施される。
東京湾は約700種もの魚類が生息する世界有数の多様な海域であり、流域人口約3000万人と日本人の4人に1人が関係する重要な海域となっている。近年は海水温の上昇や海流蛇行の影響で冬にも太刀魚が多く捕れるようになったが、夏の魚というイメージが強く冬は価格が低迷する事態が発生しているのだ。
イベントでは専門家とともに東京湾を船で回遊し、食文化と海洋環境について学びながら冬の太刀魚をさばいて千葉の伝統的な料理「かば焼き」「なめろう」「さんが焼き」を調理して味わう体験を提供する。参加対象は小学4~6年生もしくは中学生とその保護者で、10組20名を募集することになっている。
日本さばける塾 in いちかわの概要
項目 | 詳細 |
---|---|
開催日時 | 2025年2月9日(日)9:30~14:00 |
会場 | 市川漁港(集合)、市川公民館(解散) |
参加費 | 1組2,000円(税込) |
対象 | 小学4~6年生もしくは中学生とその保護者 |
定員 | 10組20名 |
申込締切 | 1月29日(水) |
和食五法について
和食五法とは、2013年にユネスコの無形文化遺産となった和食の基本的な調理法を指す。以下のような特徴を持つ調理技法の体系となっている。
- 切る、煮る、焼く、揚げる、蒸すの5つの基本技法
- 海の恵みに特化した調理技法の追加
- 締める、醸す、干す、燻す、漬けるの5つの応用技法
和食五法に海の恵みと向き合うために培ってきた5つの調理技法を加えることで、より豊かな食文化を形成している。これらの技法は日本の伝統的な食文化を支える重要な要素として、世界的にも高い評価を受けているのだ。
環境学習イベントに関する考察
本イベントは単なる料理教室ではなく、海洋環境の変化と食文化の関係性を学ぶ機会として重要な意味を持っている。特に子どもたちが実際に船に乗って東京湾を体験し、魚をさばいて調理するという一連の体験を通じて、海の環境変化への理解を深められる点は非常に意義深いものだろう。
一方で、イベントの定員が10組20名と限られているため、より多くの親子に体験の機会を提供するためには、開催頻度を増やすなどの対応が必要になるかもしれない。また、天候によっては船での体験が中止になる可能性もあるため、代替プログラムの用意も検討する必要があるだろう。
今後は、このような環境学習イベントをより多くの地域で展開することで、海洋環境問題への理解を広げていくことが期待される。特に、各地域の特色ある魚や伝統料理と結びつけることで、より身近な問題として捉えやすくなり、環境保全への意識向上につながるはずだ。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「船に乗って親子で楽しむ『冬の太刀魚』を通じた環境学習イベント「日本さばける塾 in いちかわ」参加者募集開始 | 海と日本プロジェクト広報事務局のプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003177.000077920.html, (参照 2025-01-11).