クリエイターワークス研究所が2025年卒美術系学生の就職活動実態調査を実施、高収入と仕事内容重視の傾向が顕著に
記事の要約
- 美術系学生の就職活動実態調査が2月21日に完全版公開予定
- 希望する仕事と高収入を重視する傾向が強まる
- 仕事内容の面白さが企業選択の重要な判断基準に
2025年卒美術系学生の就職活動における企業選択の動向
株式会社ユウクリが運営する調査機関クリエイターワークス研究所は、2025年卒の美大生・芸大生を対象とした就職活動の実態調査を実施し、2025年2月21日に完全版を公開する予定だ。調査結果によると、企業選択において最も重視される項目は前年に引き続き「希望する仕事ができる会社」となっている。
特筆すべき変化として、「高い収入が望める会社」を重視する学生が前年の15.7%から48.9%へと大幅に増加し、2位にランクインした結果となった。一方で、「経済的安定性が高い会社」を重視する割合は前年の26.3%から14.5%へと11ポイント減少しており、安定性よりも収入の高さを重視する傾向が強まっている。
「行きたくない会社」に関する調査では、「仕事の内容が面白くない会社」が前年の18.4%から47.6%へと大きく上昇して1位となった。対照的に「休日・休暇がとれない(少ない)会社」は前年の50.7%から32.2%へと減少しており、美術系学生の仕事内容重視の姿勢が鮮明になっている。
美術系学生の企業選択における重視項目の変化
2024年卒 | 2025年卒 | 変化 | |
---|---|---|---|
高い収入が望める会社 | 15.7% | 48.9% | +33.2% |
経済的安定性が高い会社 | 26.3% | 14.5% | -11.8% |
仕事内容が面白くない会社への忌避感 | 18.4% | 47.6% | +29.2% |
休日・休暇に関する懸念 | 50.7% | 32.2% | -18.5% |
就職活動実態調査について
就職活動実態調査とは、学生の就職活動における傾向や選考プロセスの実態を把握するために行われる調査のことを指す。主な特徴として、以下のような点が挙げられる。
- 定期的な実施による経年変化の分析
- 複数の評価指標による多角的な分析
- 業界特性に応じた専門的な調査設計
クリエイターワークス研究所が実施する美術系学生就職活動実態調査は今年で9回目を迎え、学生や大学関係者、企業の採用担当者に向けて有益な情報を提供している。調査内容には就職活動の開始時期やポートフォリオ準備、面接回数など、美術系学生特有の就職活動プロセスも含まれている。
美術系学生の就職活動実態調査に関する考察
美術系学生の就職活動における価値観の変化は、クリエイティブ業界全体の雇用環境の変化を反映している可能性がある。特に高収入重視の傾向が強まっている点は、クリエイティブ職の市場価値向上や、学生のキャリアに対する意識の変化を示唆している。
仕事内容の面白さを重視する傾向が強まっていることは、美術系学生の専門性や創造性を活かしたキャリア形成への意識の高まりを示している。一方で、休日・休暇への関心が相対的に低下している点は、ワークライフバランスよりも仕事のやりがいを優先する姿勢の表れとも解釈できるだろう。
今後の採用市場においては、企業側も美術系学生の価値観の変化に対応した採用戦略の見直しが必要となる。特に給与水準の見直しや、クリエイティブな仕事内容の具体的な提示など、学生のニーズに合わせた採用施策の強化が求められている。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「調査速報 第1弾!クリエイターワークス研究所【25年卒美術系学生就活実態調査】美術系学生が「行きたくない会社」第1位は? | 株式会社ユウクリのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000035158.html, (参照 2025-01-24).