ジョイセフがI LADY.出前講座を全国展開、若者向けSRHR教育で自己決定力の向上を支援

記事の要約
- ジョイセフがI LADY.出前講座を全国の教育機関で実施
- 若者向けSRHR教育を通じて自己決定力を強化
- 教材活用で性に関する理解と対話を促進
SRHRの教育支援プログラムが全国展開へ
国際協力NGOジョイセフは2025年3月5日、性と生殖に関する健康と権利についての教育プログラム「I LADY.出前講座」を全国の中学校・高校・大学で実施することを発表した。2023年の調査では性に関して相談相手がいない若者が27%に上り、情報源としてネットやSNSが最も多く、学校教育は4位に留まっている。
プログラムではSRHR NOTEやI LADY CARDなどの独自教材を活用し、自分のからだや月経、性感染症、妊娠、ジェンダーなどについて実践的に学ぶ機会を提供する。性的同意の重要性を90%以上が認識しているにもかかわらず、具体的な理解が不足している現状に対応し、若者の自己決定を支援していく。
2025年4月から11月にかけて一都三県を除く全国の教育機関で実施され、交通費・講義費・教材費は全て無料となる。参加条件として20名以上の参加者確保や90分以上の時間確保、SRHR NOTEなどの教材配布が可能であることなどが設定されている。
I LADY.出前講座の概要
項目 | 詳細 |
---|---|
実施期間 | 2025年4月1日~11月29日 |
対象機関 | 全国の中学校・高校・高専・大学(一都三県除く) |
費用 | 交通費・講義費・教材費(330円/冊)無料 |
参加条件 | 20名以上の参加者、90分以上の時間確保、教材配布可能 |
主なトピック | ボディイメージ、月経、妊娠・出産、性的同意、ジェンダー |
SRHRについて
SRHRとは「Sexual and Reproductive Health and Rights(性と生殖に関する健康と権利)」の略称で、自分の体や性、生殖に関する事項について十分な情報を得て自己決定できる権利を指す。以下が主な特徴である。
- 自己決定権と情報アクセスの保障
- 必要な医療やケアを受ける権利の確保
- 心身の健康と個人の尊厳の保護
ジョイセフの調査によると、性や生殖に関する情報源としてネットやSNSが最も多く、学校教育は4位に留まっている。若者が信頼できる情報にアクセスし、適切な判断を行えるよう支援することが、SRHRの実現において重要な課題となっている。
I LADY.出前講座に関する考察
全国の教育機関でSRHR教育を展開することは、若者の自己決定力を高める上で重要な一歩となる。特に性的同意の概念について90%以上が重要性を認識しているにもかかわらず具体的な理解が不足している現状は、実践的な学習機会の必要性を示している。
一方で、教育現場での性に関する話題の取り扱いには慎重な配慮が必要となるだろう。学校や地域によって受け入れ態勢や理解度に差があることが予想され、これらの違いに柔軟に対応できる講座運営が求められる。
今後は参加者からのフィードバックを活かしたプログラムの改善や、オンライン形式の導入による地理的制約の解消なども検討に値する。教育機関との継続的な連携体制を構築し、若者のSRHRに関する理解と実践力を持続的に高めていくことが望まれる。
参考サイト/関連サイト
- PR TIMES.「【募集開始】自分らしい人生を自分で選択するためのライフスキル「SRHR」をすべての若者に!全国の中学・高校・大学で今年もジョイセフが「I LADY.出前講座」を実施します | 公益財団法人ジョイセフのプレスリリース」.https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000143.000017711.html, (参照 2025-03-06).